2021.08.04

インターハイ女子注目校(4)明星学園(東京)「2年ぶりの全国、速さと高さを武器に頂点を狙う」

新たに伝統校の指揮を執る張コーチ[写真]=小沼克年
フリーライター

 先月末の男子に続いて8月10日から15日にかけて行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。女子は新潟県新潟市での開催となる。2年ぶりに夏の女王の座をつかむのはどこか? バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム(4)明星学園(東京都)

 2020年はウインターカップ不出場。明星学園高校(東京都)にとって今回のインターハイは、文字通り2年ぶりの全国大会となる。

 チームは今年に入り大きな転機を迎えた。1970年の創部から50年に渡り指揮を執った椎名眞一氏に変わり、アレセイア湘南高校(神奈川県)を率いていた張⼀コーチが新指揮官に就任したのだ。「明星は椎名先生が築いた伝統があります。責任を持ってこれから頑張りたいです」と、張コーチは静かに意欲を口にする。

 相手を惑わす伝統の『チェンジングディフェンス』を継続しつつも、張コーチはチームに新たなスパイスを注入。それが、「私のスタイル」と主張するオールコートディフェンスだ。

 酒井杏佳(3年)、池田凜(2年)らのガード陣が襲いかかるように前からプレッシャーをかけて流れを引き寄せ、攻めてはスピードに加えアディクペ エスター(3年)とアダム アフォディヤ(2年)の高さでも得点を奪う。

明星学園の主軸を担う3年生の酒井杏佳[写真]=小沼克年

 速さと高さを持ち合わせた明星学園は、6月の関東大会では3試合連続で90得点以上をマーク。同大会を全勝で終えると、その後行われた東京都のインターハイ予選でも無敗をキープし1位で予選突破を果たした。東京成徳大学高校を53得点、八雲学園高校を58得点に抑え込んでの勝利は、正しく“ディフェンスの勝利”と言えるだろう。

「留学生がいるので、まだ難しいところもあります」(張コーチ)と、関東大会では185センチのエスターと193センチを誇るアフォディヤをベンチへ下げ、常に足を動かせる5人をコートに送り出した場面もあった。それだけに、来るインターハイに向けては、2人のインサイドプレーヤーがどこまで指揮官の理想とするディフェンスに近づけるかが重要になりそうだ。また、オフェンスでは決して留学生頼みにならず、バックコート陣が積極性を貫くことで好循環が生まれるだろう。

 2年ぶりとなる大舞台は第2シードに入った。初陣となる8月11日、新生・明星学園が全国大会でベールを脱ぐ。

取材・文・写真=小沼克年

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