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大会4日目を迎えた「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」は、新潟市東総合スポーツセンターでの準々決勝計4試合。8月13日の第1試合を制し、まずは岐阜女子高校(岐阜県)がベスト4一番乗りを決めた。
今大会の第1シードに敗れたのは地元・新潟県代表の開志国際高校。高さで勝る相手に対し、リバウンド本数では40−45と及第点に持ち込んだ。しかし、チームは試合を通して40得点を挙げるに留まり、16点差で敗戦。
伊藤翔太コーチは「もともと岐阜女子さんのディフェンス、個人個人のプレッシャーの強さは分かっていましたが、実際にやってみても実感しました」と、改めて岐阜女子のディフェンス力を痛感したように試合を振り返った。
「周りを見ながらも、エースとしてここぞという時にシュートを決められるようにしたい」
12日の小林高校(宮崎県)との試合に勝利したあと、次戦へ向け意気込んでいたのはキャプテンの堂脇さち(3年)だ。岐阜女子戦、彼女は誰よりも執拗なマークに遭い、気持ちよくボールを触らせてもらえなかった。
でもそこは、チームの絶対的エースたる所以。伊藤コーチも「想定内」だったと話したが、堂脇は得点を量産するまでには至らず…。この試合は計11得点、5本放った3ポイントシュートはリングに触れなかったものもあり、1本も決められなかった。
「点を取りにいくことが役目なので、前半はタフショットでもいいから決めにいこうと思っていました。後半は相手のディナイが激しくなりましたけど、もっと自分がボールをもらいにいって、(ゲームプランどおり)2対2を仕掛ければよかったです。やり切れなかったなって……」
自身の出来を悔やむ堂脇。そんな彼女に対し伊藤コーチは、かばいながらもさらなる成長を促す。
「(コロナ禍で)細かく練習ができなかった部分もありましたので、上手くいかなかったのは選手たちのせいではないです。でも、あの子にはやりきる力や冷静になることをもうちょっと学んでほしい。そうやって判断する力が身に付いてくれば彼女はもっと上にいけます」
やり切る力と判断力――。今回の敗北を経て、堂脇も今の自分に足りないものがそれだと改めて気づいた。それでも、「チームが上手くいっていない時、ここぞという時に決められる選手になりたい」と、最後は自分が決めるという強い意志は変わらない。
その想いは伊藤コーチも一緒だ。指揮官はエースへ送ったアドバイスの最後に、こんな言葉を付け加えた。
「エースとしての責任もありますし、彼女が持っている思い切りの良さは捨てたくありません。そこのバランスは指導者の私含めて言えることなので、これから一緒に成長していきたいです」