2022.06.21
豊富な全国大会出場経験を持ち、“バスケットボールの強豪”と呼ばれる高校がいくつかある。才能豊かな中学生を迎え入れ、独自のメソッドやハイレベルな競争のなかで鍛え、磨き上げ、次のステップへと送り出す。プロの舞台では、そうした強豪校出身の選手が数多くプレーしている。
では、数ある強豪校はそれぞれどのような選手を輩出してきたのだろうか。本企画では現在B1、B2でプレーする各校のOB選手たちをピックアップして紹介する。今回取り上げるのは、昨年のウインターカップ王者でもある福岡大学附属大濠高校(福岡県)。プロの舞台で活躍する選手の多さもさることながら、各年代で途切れることなく優秀な選手たちを輩出し続けている点も注目に値するだろう。
※IH=インターハイ WC=ウインターカップ
※ピックアップするのは記事掲載時点でB1・B2クラブに所属する選手
■2002年4月〜2005年3月在籍
山下泰弘(島根スサノオマジック)
寒竹隼人(仙台89ERS)
▼主な成績
IH:02年・ベスト8、03年・準優勝、04年・ベスト16
ウインターカップ:02年・ベスト4、03年・準優勝、04年・県大会敗退
■2004年4月〜2007年3月在籍
橋本竜馬(レバンガ北海道)
金丸晃輔(島根スサノオマジック)
▼主な成績
IH:04年・ベスト16、05年・準優勝、06年・ベスト16
WC:04年・県大会敗退、05年・県大会敗退、06年・3位
■2006年4月〜2009年3月在籍
長谷川智伸(福島ファイヤーボンズ)
大塚勇人(ライジングゼファー福岡)
▼主な成績
IH:06年・ベスト16、07年・準優勝、08年・ベスト16
WC:06年・3位、07年・県大会敗退、08年・県大会敗退
■2011年4月〜2014年3月在籍
葛原大智(レバンガ北海道)
杉浦佑成(三遠ネオフェニックス)
青木保憲(広島ドラゴンフライズ)
▼主な成績
IH:11年・ベスト8、12年・ベスト16、13年・ベスト4
WC:11年・ベスト4、12年・ベスト8、13年・準優勝
■2012年4月〜2015年3月在籍
津山尚大(三遠ネオフェニックス)
▼主な成績
IH:12年・ベスト16、13年・ベスト4、14年・優勝
WC:12年・ベスト8、13年・準優勝、14年・準優勝
■2013年4月〜2016年3月在籍
牧隼利(琉球ゴールデンキングス)
増田啓介(川崎ブレイブサンダース)
▼主な成績
IH:13年・ベスト4、14年・優勝、15年・2回戦敗退
WC:13年・準優勝、14年・準優勝、15年・2回戦敗退
■2014年4月〜2017年3月在籍
西田優大(シーホース三河)
▼主な成績
IH:14年・優勝、15年・2回戦敗退、16年・1回戦敗退
WC:14年・準優勝、15年・2回戦敗退、16年・2回戦敗退
■2015年4月〜2018年3月在籍
井上宗一郎(サンロッカーズ渋谷)
川島聖那(ファイティングイーグルス名古屋)
▼主な成績
IH:15年・2回戦敗退、16年・1回戦敗退、17年・優勝
WC:15年・2回戦敗退、16年・2回戦敗退、17年・準優勝
■2017年4月〜2020年3月在籍
横地聖真(茨城ロボッツ/筑波大学)
▼主な成績
IH:17年・優勝、18年・ベスト16、19年・県大会敗退
WC:17年・準優勝、18年・県大会敗退、19年・準優勝
上記が福岡大学附属大濠高校出身のBリーガーとなる。2022年3月16日時点で、特別指定選手の横地聖真を含めて16名がB1・B2のクラブに所属している。小林大祐(アルティーリ千葉)や村越圭佑(ベルテックス静岡)など、B3で活躍してい選手も含めるとその数はさらに多くなるだろう。
現在Bリーグでプレーする福大大濠出身の選手のなかで、インターハイやウインターカップで全国制覇の経験を持った選手は決して多くない。 山下泰弘、寒竹隼人、そして堤啓士朗(元福岡)らの世代は、2年次に1学年上の竹野明倫(現大阪エヴェッサAC)らとともに夏と冬の全国決勝の舞台に立つが、いずれも準優勝。橋本竜馬と金丸晃輔という、のちにともに日本代表まで上り詰める2人を擁した世代も優勝には届かなかった。
そんななか、久々にインターハイ制覇を成し遂げたのが津山尚大をキャプテンとした2014年。2年には牧隼利や増田啓介、さらには現在韓国でプレーする中村太地。1年には西田優大と各世代に実力者がそろっていた。そんな世代でも、ウインターカップでは八村塁擁する明成高校に敗れ、優勝カップをを掲げることはできず。井上宗一郎や川島聖那、横地聖真らもインターハイ優勝は果たすも、冬の王座を手にすることはかなわなかった。
そんな先輩たちが味わってきた悔しさは昨年ついに晴らされた。ウインターカップ28年ぶり3回目の優勝。岩下准平や川島悠翔ら、年代別の日本代表に名を連ねる選手もおり、近い将来プロの舞台で活躍することも期待できるだろう。各世代で存在感を放つ福大大濠高校出身選手たちに、今後も注目したいところだ。
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