2022.11.06

第4クォーターで攻防ともに狙い通りのプレーを発揮した東海大福岡が接戦を制して優勝

福大若葉を下し見事優勝を手にした東海大福岡[写真]=佐々木啓次
フリーライター

 11月3日、「ウインターカップ2022 高校バスケットボール福岡県大会」がアクシオン福岡で行われ、女子は優勝を懸けて決勝リーグではともに2勝中の東海大学付属福岡高校と福岡大学附属若葉高校とが対戦した。

 6月のインターハイ県予選でも熱戦を演じた両チーム。試合の序盤は、東海大福岡がファール アミナタ(3年)や伊東友莉香(1年)らインサイドを中心に、一方の福大若葉は山下莉来、柿元舞音(いずれも3年)らの3ポイントシュートで互いに点を取り合っていく。

ウインターカップ2022 全試合生配信!!
【バスケットLIVE】

 第2クォーター序盤には高さを生かしたインサイドプレーからアミナタ、伊東の連続得点で東海大福岡が抜け出すかに思われたが、福大若葉は古川莉緒(3年)、東紅花(2年)、山下らが3ポイントシュートをねじ込み、一歩も引かない。そのまま、前半は37ー33と東海大福岡のわずか4点リードで終えた。

 後半になっても状況変わらず、1、2点を争う僅差の戦いは激しさを増していく。しかし、第4クォーター中盤、東海大福岡はこの接戦に終止符を打つかのように、198センチの高さを生かしたアミナタに的確にパスを送り、そこから次々と得点を重ねていく。この得点ペースについていくことができなかった福大若葉をジリジリと引き離した東海大福岡、最後は81−71で勝利を飾った。

3年生となり安定したプレーを見せた東海大福岡のアミナタ[写真]=佐々木啓次

 試合後、勝った東海大福岡の宮﨑優介コーチは、4クォーター中盤からアミナタを起点としたオフェンスが機能した理由を以下のように語った。

「アミナタのローポストのところが一つのポイントになると思っていました。4クォーターまではボールがずっとトップにある状態で、練習で準備してきたものと実際にやっているものとにズレがあり、リズムをつかめませんでしたが、(4クォーターから)ボールが動き出したところが大きかったと思います」

 また、そのオフェンスへとつなげるディフェンスについても「ディフェンスでプレッシャーをかけだしてから、良いオフェンスに変わったかなと感じます」と、振り返る。

 さらに、「シュート力を見ると、確実に福大若葉さんには劣るということを認識して練習をしていました。我慢しながらしっかりとリバウンドを取ること。前半は(相手に)リバウンドの平面のところでやられていたのですが、そこを修正して、第4クォーターではリバウンドから速い展開というのができたと思います」と、リバウンドも勝因の一つに挙げていた。

 福岡県を制した東海大福岡は、今年のインターハイでは初のベスト4入りを達成。だが、そのときにも活躍をした浜口さくら(2年)がインターハイ以降は、ケガの影響で離脱中となっており、ウインターカップ予選では得点源の一人を欠いての戦いであった。しかし、「周りからはそん色なく戦っているねと言ってもらっています。それは今プレータイムがある選手たちの頑張りで、(チームプレーを)体現できているのだと思います」と、宮﨑コーチ。そういったチームの底上げにも指揮官は一定の手応えをつかんでいるようだった。

 一方、敗れた福大若葉の池田憲二コーチは、「もう少しブレイクを出して、ディフェンスもハードにやりたかったけれど、どうしても夏の課題だった6〜8人目の選手を作りきれず、最後は疲れて終わってしまった感じになりました」と、コメント。

福大若葉は、キャプテンの山下が気迫あるプレーで引っ張った[写真]=佐々木啓次

 それでも福岡県の上位2チームに与えられるウインターカップの出場権は獲得しており、冬の大一番に向けては「もっとハードワークしないといけないので、8〜10人で戦う体制をもう一回作り直していきたいです」と、抱負を語っていた。

取材・文=田島早苗
写真=佐々木啓次