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【インターハイ男子注目校】福岡大学附属大濠(福岡県)「悲願の頂点へ、真価が問われる優勝候補」

地元開催のインターハイで頂点を目指す福大大濠 [写真]=佐々木啓次
フリーライター

バスケどころ、福岡市で開催される「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が8月4日に開幕。北部九州インターハイで大会を盛り上げる有力チームを紹介していく。

文=小沼克年

■悔しさを経験したメンバーが地元で花を咲かせるか!?

 今夏のインターハイは半世紀ぶりに福岡県での開催。遡ること50年、1974年にこの場所で行われた全国大会で初優勝を成し遂げたのが福岡大学附属大濠高校だ。現在は全国屈指の強豪として高校バスケ界をけん引する同校は、再び地元で躍動し、2017年以来5度目のインターハイ制覇を目指す。

 今年は第1シードに相応しい優勝候補の大本命。ウインターカップで準優勝の成績を収めた昨年のスタメンが4人もいる。キャプテンに就いた湧川裕斗、エースナンバー「14」を背負う髙田将吾、206センチの長身でBリーグの舞台にも立った渡邉伶音の3年生トリオに、司令塔としてチームをまとめる榎木璃旺(2年)だ。この4選手に見竹怜(3年)、勝又絆(2年)といった体を張れる献身的なプレーヤーが主力としてコートに立つ。

兄の颯斗に続いて、大濠の13板を付ける湧川裕斗 [写真]=佐々木啓次


 新チーム発足後、掲げたスローガンは『GIVE』。Grit(やり抜く)、Influence(影響力)、Victory(勝利)、Euphoria(多幸感)という4つの言葉の頭文字をとったものだ。「見ている方々にいい影響を与えながら勝利を目指すことを目標にしました。去年のウインターカップの悔しさを2度と味合わないようにという思いも込められています」と理由を明かすのは渡邉。福大大濠にとってこの夏は、地元の大きな期待に応え、さらには昨冬の悔しさを晴らす舞台でもある。

「昨年の経験値があるので、チームとしての形や安定感はある程度あります」。片峯聡太コーチも現在のチームに力があることは認めている。しかし、昨年のウインターカップと今年のインターハイ県予選を終えた後には「今のままではベスト4止まり」と同じ言葉を発した。日本一を手にするために指揮官がポイントに挙げるのは、求心力のある選手の存在と、どんな相手、状況でも揺るがない“芯の強さ”だ。

「今年のチームは負けて次に繋げるのではなく、勝ち続ける中で『まだまだできる』ということにフォーカスしなければいけないチームです。私たちに照準を合わせてくるチームも多いと思いますけど、それでも負けないブレないものがチームとして本当にあるのかが問われます。その強さはインターハイまで身につけなければいけませんし、そこがしっかりできれば十分チャンスはあると思っています」

 現在のメンバーが夏の全国に挑むのは今回が初。見えないプレッシャーもあるだろう。己に打ち勝ち、「打倒・大濠」を掲げるライバルたちに打ち勝ってこそ本物の強さを証明できる。バスケどころ福岡の王者として、負けるわけにはいかない。

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