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1月6日、大会3日目を迎えた『京王 Jr.ウインターカップ2023-24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会』で強烈な存在感を放つ女子中学生がいた。
兵庫県代表のクラブチーム『North Wave(ノースウェーブ)』の司令塔を務める宮城美海。4日に行われた1回戦・猿橋 Bb jr.(山梨県)戦で、いきなり41得点12リバウンド11アシストという驚異的なスタッツでトリプルダブルを達成すると、6日の3回戦・PANTHERS Jr.(大分県)戦では、大会記録を更新する1試合9本の3ポイントを決め、歴代2位の47得点をマーク。身長158センチと上背はないものの、リバウンドを拾う嗅覚もピカいちで、時に体を張るファイターな一面も持ち合わせている。
今大会初めてダブルヘッダーで臨んだ北九州市立折尾中学校(福岡県)との準々決勝は、一進一退の攻防が続く大接戦に。宮城は第3クォーター終了時点で40得点に到達する大活躍だったが、勝負の第4クォーターに疲れが見え始め、ラスト8分はフィールドゴール1本と失速。最後は実力校に62-78と突き放され、準々決勝で姿を消すことになった。
ベンチで指揮をとっていたのは、ノースウェーブを立ち上げた宮城の実母・佳代子ヘッドコーチ。展開的にも体力的にも苦しい時間帯に“親子”が視線を交わしている様子もあったが、「常にキツそうな表情を出すので、それは見ないようにしていました。あの子のチームでもあるので、最後はあの子が取らなきゃいけないところもあった。疲れとか気にしていられなかったです」と、最後まで逆転勝利を信じてのフル起用だったことを明かした。
試合後、涙が止まらない宮城は、「このチームでできるのが最後というのが一番悔しい」と溢れる思いを口にし、「終盤に自分の得意な3ポイントが入らなかったり、チームに重い迷惑をかけてしまった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と肩を落とした。
それでも、今大会は1回戦から準々決勝まで全4試合に先発出場し、1試合平均31分45秒のプレータイムで41.8得点、10.0リバウンド、6.3アシスト、4.0スティール、大会新記録の3ポイント成功数26本をマーク。累計得点は歴代1位のディマロ ジェシカ(187得点/2020年・京都精華学園中)に及ばないものの、ジェシカより2試合少ない出場4試合で167得点を荒稼ぎし、暫定歴代2位に食い込んだ。
今大会106本(1試合平均26.5本)放った3ポイントシュートは、「ずっと遠くから打ち続けてきた」宮城の代名詞。NBAで活躍するステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)を目標に掲げ、1週間に1日はシューティング1000本の特訓を積んできたという。佳代子HCも「日本人は小さいから、あの子に限らず皆3ポイントを打てるように取り組んできた」と、日々の取り組みを振り返る。
ただ、宮城本人が今大会を通して最も通用したと感じていたのは「パス」だそう。高校進学後は「誰にも負けない周りが見れるガードになりたい」と、司令塔としての成長を誓い、将来的には「アメリカでプレーできるくらいの選手になりたい」とも語った。
ちなみに、母・佳代子HCに子・美海のコート外での様子を聞いてみると、「家ではオフモード。何もしないです。コートに入るとスイッチが入るタイプ」と、その素顔を明かし、子・美海は「普段は優しい普通のお母さんです。コーチの時の方が好き。選手思いの監督でチームの皆を支えてくれました」と、コートで過ごした時間を振り返った。
全国の夢舞台でインパクトを残した宮城親子の挑戦は、これで一区切り。高校進学を控える子・美海は、今大会の悔しさも糧に、新たな一歩を踏み出す。