2023.02.27

W杯予選を快勝で締めたホーバスHC「日本は3Pが入るというイメージを作りたかった」

アジア地区予選を5連勝で終えたトム・ホーバスHC[写真]=野口岳彦
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 2月26日、高崎アリーナで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window6が行われ、男子日本代表(FIBAランキング38位)がバーレーン代表(FIBAランキング84位)と対戦した。

 第1クォーターで32得点を奪った日本は、その後も試合を優位に進め、95-72でバーレーンに勝利。トム・ホーバスヘッドコーチ率いる男子日本代表は、アジア地区予選を5連勝で締めくくった。

「ベストな試合ではなかったけど23点差をつけて、96点取れたのは悪くないです。もし1年前にバーレーンと試合をやっていたら勝てるかわからないですが、今はもう勝てる自信がつきました」

 試合後の会見でそう語ったホーバスHCは、「いいチームになりました。みんなが自分の役割も、チームメートの役割も分かっているからスムーズにプレーできてるのかなと思います。連勝しだしてから自信もすごかったです。みんなが自分たちの力を信じてる。それは本当に大きいです」と約1年半にわたるアジア地区予選で確かな手応えをつかむことができたようだ。

「日本のファンの前で勝つことができてうれしかった」と語るホーバスHC[写真]=野口岳彦

 試合の終盤には富樫勇樹千葉ジェッツ)と河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)の同時起用を試す時間帯もあり、167センチと172センチの司令塔がそろってコートに立った。「イラン戦では河村とテーブス海滋賀レイクス)を同時に使いました。今日は相手のガード陣の動きが良くなかったので、Wユウキをちょっとやってみようかなと。富樫と試合に出ると、河村はもっとスコアリングができるかなと思います」。

 今回試したWユウキのツーガードについては、「ワールドカップでは1番と2番が小さいチームはあまりないので難しいかもしれない」と話しつつも、「長い時間は難しいけど、例えば残り時間が少ないときに、特別なプレーを作るならそれはアリです」と戦術として限定的に組み込む可能性も示唆した。

 Window6ではイラン戦で17本(成功率45.9パーセント)、バーレーン戦で16本(同39.0パーセント)の3ポイントシュートを沈めたが、指揮官はアウトサイドシュートが日本代表の武器であることを世界各国に認識させる状況が作りたかったと明かした。

「世界のチームが『日本は3ポイントが入る』とイメージする状況を作りたかったです。女子もそうだったので、東京オリンピックでは相手が3ポイントを警戒してくれ、そこからペイントアタックにいけました。男子もこれまででイメージは作れたと思います。相手が対策してこないなら3ポイントを打ちますし、止めようとするなら日本のスピードを使ってペイントアタックができます」

 アジア地区予選やアジアカップを経て、チームとしての「ベースは作った」というホーバスHCは、「Window6ですごくステップアップしたと思います。このチームのこれからが楽しみです」と力強く語った。

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