2024.09.28
加熱するBリーグの移籍市場。実績豊富なベテランから若手の有望株まで、すでにさまざまな選手が自由交渉選手リストに名を連ねている。本稿では2024年6月7日時点でBリーグ自由交渉選手リストに公示されている選手の中から、注目の若手・中堅選手6名をピックアップして紹介する。
東京都出身の木村は八王子学園八王子高校からスラムダンク奨学生として渡米し、アメリカのセントトーマスモアプレップスクール、セントジョセフ大学へと進学すると、2021年に新潟アルビレックスBBに加入した。新潟では加入2シーズン目に先発26試合を含む57試合に出場し、1試合平均5.5得点2.4リバウンド2.6アシストをマーク。さらなる飛躍を求め今シーズンから群馬に移籍するも、36試合の出場で平均1.8得点を記録するにとどまった。
思い切りのいいシュートが最大の魅力で、積極果敢に3ポイントを放つスタイル。新潟時代には強豪・琉球ゴールデンキングスを相手に5本の3ポイントを含む21得点を挙げたことも。群馬では出場機会が限られたが、4月21日の秋田ノーザンハピネッツ戦ではわずか13分22秒のプレータイムで3本の3ポイントを含む15得点を挙げるなど、はまった時の爆発力は驚異的。
石川県出身の大倉はミニバス時代から世代のトップを走ってきた選手で、布水中学校や東海大学では全国制覇を経験。北陸学院高校時代もチームをウインターカップ3位の座に導き、自身も大会のベスト5に名を連ねた。しかし、プロ入り後はケガの影響などもあって定位置を掴めず。それでも今シーズンはキャリア最多となる48試合に出場し、1試合平均12分36秒で3.3得点1.1リバウンド1.3アシストを記録した。
特別指定選手時代に経験した全治12カ月の負傷を始め、幾度かの長期離脱を経験しながらも不屈の精神でカムバックを果たした大倉。ポテンシャルの高さは折り紙付きで年齢も25歳と若く、これからの飛躍に大きな期待がかかる選手の一人。千葉Jは2024-25シーズンの契約について、引き続き交渉を進めていくと明言しており、今後の動向に注目が集まる。
神奈川県出身の納見は高校時代に八村塁とともに明成高校(現仙台大学附属明成高校)のウインターカップ3連覇に貢献した実績を持つ、その後、青山学院に進み、島根スサノオマジック(特別指定)、新潟アルビレックスBBでプレーした。川崎には2022-23シーズンから所属しており、今シーズンは46試合に出場し、1試合平均12分2秒のプレータイムで同2.7得点2.0アシストを記録している。
3ポイントシュートとアシスト能力を武器とするコンボガードの納見。新潟時代にはB1で平均8.1得点4.0アシストを記録したシーズンもあり、B1で輝ける実力の持ち主であることに疑いはない。すでに川崎を離れることは決定しており、新天地のチームでの飛躍を期待しているファンは多いだろう。
富山県出身の馬場は筑波大学4年次の2017-18シーズンにアルバルク東京でBリーグデビューを果たすと、2019年からNBAサマーリーグ、NBA下部のGリーグ、NBL(オーストラリア)といった海外でキャリアを重ねていたが、今シーズン開幕前に長崎へ電撃移籍。5年ぶりの日本復帰イヤーとなった2023-24シーズンは、レギュラーシーズン55試合に出場し、1試合平均14.1得点4.2リバウンド3.6アシスト1.8スティールを記録し、ベストディフェンダー賞も受賞した。
数シーズンの海外挑戦を経てBリーグに帰還したが、依然として“NBA挑戦”の意思は揺るがず。長崎も「馬場選手が入団当初から掲げている目標でもある“NBA挑戦”を長崎ヴェルカ一同、最大限応援したいと思っております」と選手の意思を支持する意向を示しており、今夏の日本代表活動後にどのような決断を下すのかに注目したい。
アメリカ出身の渡邉は、207センチ106キロのパワーフォワード。ポートランド大学、カルフォルニア大学デービス校大学院を経て、2021-22シーズンに琉球へ加入した。バスケを本格的に始めたのが高校3年からだが、そのポテンシャルの高さを認められBリーグデビュー前から日本代表に選出。しかし、しばしばケガに見舞われて、フルシーズンを戦うことが叶わなかった。2023−24シーズンは22試合に出場し、1試合平均4分49秒1.2得点1.1リバウンドをマークしている。
琉球ではなかなか出場機会に恵まれなかったが、2023年8月に日本代表として出場したニュージーランド戦では、20分44秒のプレータイムで10得点7リバウンド1アシスト1スティールと上場のパフォーマンスを披露。フリオ・ラマス氏、トム・ホーバス氏と歴代の日本代表HCが期待するポテンシャルの高さを証明した。
岡山県出身の土家は福岡大学附属大濠高校から早稲田大学に進学し、特別指定選手として2020-21シーズンにファイティングイーグルス名古屋、翌シーズンに島根スサノオマジックに在籍した。2022-23シーズン途中に福島へ加入すると、今シーズンは27試合の先発を含む59試合に出場。いずれもキャリアハイの1試合平均8.6得点1.6リバウンド3.2アシストに37.9パーセントの3ポイントシュート成功率をマークした。
飛躍の1年を過ごした土家は今夏注目のFA選手の一人。福島は契約交渉を続けていくと明言しているが、獲得を望むチームも少なくはないだろう。2023年に福島とプロ契約を果たした際には「2026年にスタート予定の新B1の舞台で活躍したい」とコメントしており、どのような決断を下すにしろ、自身が最も成長できる環境を求めることが予想される。
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