2024.08.13
パリオリンピックを経て「日本のバスケットボールは着実に成長している」と感じるのは、国民という贔屓目なフィルターを通しているからではない。開催国であり、決勝までたどり着いたフランスをあと10秒のところまで追い詰め、予選ラウンドのスタッツランキングでは複数の選手がランキング上位に食い込み、その活躍には世界から賞賛の声が相次いだ。
『BasketNews』でシニアライターを担当するドナタス・ウルボナスも、本大会における日本の活躍に感銘を受けた人物の1人だ。同氏は「オリンピック後に日本のバスケットボールが楽しみな5つの理由」という見出しで、AKATSUKI JAPANの未来に希望を見出している。
まず最初に言及されたのが、河村勇輝の存在だ。ウルボナス氏は大会で2番目に低身長の小兵を“グループステージで最も目立ち、最も面白かった選手”と紹介。選手評価は数倍に跳ね上がり、メンフィス・グリズリーズとのエグジビット10契約にも言及され、ヤニス・アデトクンボやシェイ・ギルジアス・アレクサンダーと肩を並べる大会トップ5の得点能力には手放しで賛辞が送られている。一方で、ショット選択と感情的なゲームコントロールについては伸び代とコメント。また、身長の懸念は拭えず、アメリカでのプレーを選択した場合、Gリーグからのキャリアスタートが有力と予想している。
一方の渡邊については、リーダーシップとコート上のファシリテーションが高く評価されている。オリンピック前はコンディションが安定せず、NBAでも決して潤沢なプレータイムが与えられていたわけではない。しかし、移籍先の千葉ジェッツではエース格を任されることが必至であり、アメリカで培った経験とスキルは成熟していくはず。29歳という年齢もキャリアの絶頂期にあり、4年後は今まで以上に頼れるベテランとしてチームを支えていることだろう。
そして、Bリーグの成長も日本バスケを底上げしている。リーグの成長についてはNBA規模の新アリーナの建設計画や、総額10億円規模の契約準備による海外選手たちからの評価がその証明としており、一貫性と正しいコミュニケーションが行われれば、正しい方向に進むとしている。
渡邊は試合後、チームメートたちに「胸張って日本帰るぞ」と声をかけた。ヤニス・アデトクンボも過去の会見の場で「目標を掲げて働く。それは失敗ではなく、成功へのステップがあるからこそだ」と力強く言い放った。
夢と希望は紡がれるもの。日本バスケの未来は明るい。
文=Meiji
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