2022.02.03

「技術だけでなく、メンタル面でもいろんなことを学んでいる」と期待のシューター吉田舞衣

Wリーグ1年目、吉田は均12.4得点の活躍を見せている [写真提供]=日本バスケットボール協会
フリーライター

 東京オリンピック前に続き、自身2度目となる日本代表候補入りとなったシャンソン化粧品シャンソンVマジックの吉田舞衣※。シャンソン化粧品では、昨年、拓殖大学4年の時にアーリーエントリーでチームに加入すると、いきなりのスタメン出場。高い得点力を発揮して大きなインパクトを残した。

 そして迎えた1年目のシーズンは、ここまで20試合を戦って1試合平均12.4得点という数字をマーク。その活躍もあり、FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022 予選」に向けた女子日本代表の候補メンバー入りを果たしたのだ。

「合宿に参加させていただけると聞いたときは、正直、Wリーグを経験して1年しか経っていないし、『なんで自分が』と思いました。実際の合宿では、技術面はもちろんですが、元々、性格的に考えてしまうところなどを(ヘッドコーチの)恩塚(亨)さんから話をしていただき、技術だけではなく、どちらかというとメンタルの面でいろんなことを学ばせてもらっています」(吉田)

 トップレベルの選手たちとの練習では、「ガードもセンターもレベルが高いので、いつもは来ないようなパスが来て、最初は緊張はしてしまった」ようだが、今は「そういったときにもシュートも打てるようになりました」と言う。

「先輩たちからは、お互いに尊敬し合いながらバスケットをしていることが伝わってきます。代表チームだからこそ、お互いを高めあえる環境なんだと感じました」と吉田。また、林咲希(ENEOSサンフラワーズ)ら同じポジションのシューター陣にからも、「私はオリンピックもアジアカップも行ってないのに、上の方たちと一緒にプレーできているのは、単純にすごいなと思っています。でも、何がすごいのだろうと思って見たときに、どんなパスが来ても、どんなチェックが来ても打つという気持ちを決めて、迷わずに打ってる姿や、かわして打つときも体がぶれず、ただ打っているだけではないというところがすごいなと感じました」と見て学ぶことは多いようだ。

「まだまだ自信がない」という吉田は、「国際大会で自身の力を試してみたいのでは?」という問いに、「試してみたいとは思うけれど、本音だとまだ想像がつかないです」と心境を吐露した。

 無理もないだろう。髙田真希(デンソーアイリス)らオリンピックメンバーをはじめ、同世代でも赤穂ひまわり(デンソー)といった「FIBA女子アジアカップ2021」で日本を優勝に導いた選手たちの中で、どうしても気後れはしてしまうだろう。だが、勝負どころで決め3ポイントシュートを武器とする吉田の存在は、日本のさらなるレベルアップにとって欠かせない。「昨年、一度(日本代表合宿に)呼んでいただき、今回もまた呼んでもらったので、自信とまではいかないけれど、見ていただいているんだということは感じるので、リーグ戦の試合も大事にしていかないといけないという気持ちは強くはなっています」と吉田は語る。

 日本代表としてのキャリアはスタートしたばかり。新しい経験が、未知数の可能性を秘めるシューターを大きくしていく。

取材・文=田島早苗

※正式には下の長い「𠮷」

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