2023.07.13

さまざまな経験を生かし世界に挑戦する薮未奈海「自分のプレーがどこまで通用するか」

薮はシュート力の高さに定評のある選手[写真]=伊藤大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 4月末に行われた若手選手を中心とした「2023年度女子日本代表チーム ディベロップメントキャンプ」に参加した薮未奈海(デンソー アイリス)は、その後、5月末まで日本代表候補選手として合宿を行い、国際強化試合となる6月の「三井不動産カップ2023」(6月16日~18日)にもディベロップメントメンバーとして帯同。試合にも出場するなど、濃い数か月を過ごした。

「(昨シーズンに)アーリーエントリーで加入したデンソーではプレータイムもなかったのですが、それでも日本代表の一員として活動させてもらいました。オフシーズンは、個人のトレーニングなどをする時期だったとは思うのですが、(その期間に)代表活動に参加させてもらったので、とても充実していました」

 そう語る薮が、心待ちにしているのが7月15日からスペインで開幕する「FIBA U19女子バスケットボールワールドカップ2023」。「自分のプレーがどこまで通用するか。それに、U18のときから一緒にやっているメンバーでやり慣れたところもあるし、お互いどういうプレーが好きかというのもわかってきた中での試合なので楽しみですね」と、大会に向けての思いを笑顔で語った。

 U19女子日本代表では主軸としての働きを期待される薮にとって、トップの日本代表での活動は大きな学びとなった。

「(トップの)日本代表の方たちは、一人ひとりが常にアタックする気持ちを持っています。シューターという役割の選手でもドライブをするし、ドライブが強みの選手でも外からシュートを積極的に打つ。強みにしているプレーだけでなく、すべてのプレーができるということをすごく感じました。私もシューターという役割があるけれど、ドライブも狙っていかないといけないなと思っています」という。

トップ日本代表候補選手にも名を連ねた薮[写真]=野口岳彦

 また、日本代表ではすでに中心選手でデンソーの先輩でもある赤穂ひまわりについても「私も3番ポジションだと少し大きい方になると思うので、ヒマさん(赤穂)がやっているように、たまにポストアップでも攻めるようなこともこれからしていきたいなと思っています。目標とする存在です」と、語った。

 高校時代は「全くやっていなかった」というウエイトトレーニングもデンソーに入ってからは本格的に取り組んでおり、「マネジャーさんからも、『背中が大きくなったね』と言われるので、それは素直にうれしいと思っています」と、体の強さといった変化も感じている。さらには、ディフェンスについてもデンソーではアソシエイトコーチであるU19女子日本代表の小笠原真人アシスタントコーチから、「一つ一つのポジショニングのところまで、細かく」指導を受けているという。他の選手同様、藪もまた、さまざまな面で着実にレベルアップを図っているのだ。

「今回はアジアだけではなく、世界のチーム、世界のトップ選手が集まる大会なので、世界の高さやフィジカルを肌で感じる大会にしたいです。それと、シューターだけれど、待っているだけではなく、ドライブなど自分のできることをしっかりやって挑戦したいと思います」

 高校時代からその得点力はお墨付き。デンソーや日本代表での活動を経て、一回りも二回りも成長した大型シューターは、世界の頂点を目指す。

取材・文=田島早苗

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