2024.10.22

河村勇輝の同僚ルーキーも要チェック…NBAドラフト指名順位以上の活躍を見せた“掘り出しもの”3選

NBAドラフト1巡目全体9位指名でグリズリーズに入団したザック・イディー[写真]=Getty Images

■ 期待以上かも…“スティール”にフォーカス

 NBAはプレシーズン期間が終了。球団は10月23日(現地時間22日)のシーズン開幕に向けて、最終調整を進めている。

 NBAドラフト2024は、お世辞にも派手な注目を集めたとは言い難い。しかし、プレシーズンでは1位指名のザカリー・リザシェイが平均16.0得点を記録し、河村勇輝の同僚であるザック・イディーも新人王候補に名乗りを上げるほどの存在感を示している。

 ドラフトの名物は上位指名選手の動向だけではない。3度のMVPを獲得したニコラ・ヨキッチは2014年の全体41位指名であり、「ヒート・カルチャー」の心臓であるジミー・バトラーも2011年のドラフトでは30位指名だったように、指名順位以上の活躍を披露してくれる“スティール”の醍醐味もある。

 現地メディア『Bleacher Report』はプレシーズン期間中に、上位指名選手以外で印象を残したルーキーを厳選。サンプルこそ少ないものの、いずれの新人も指名順位以上の活躍を見せている。

■ 総合力ピカイチの大型ガード

クリーブランド・キャバリアーズ1巡目20位指名のジェイロン・タイソン[写真]=Getty Images

 球団は若さを魅力とし、大学在学期間わずか1年でドラフトにエントリーするワン・アンド・ダンのプレーヤーを好む傾向にあるが、近年は八村塁ハイメ・ハケスJr.のようにNCAAでしっかりと基礎とコート経験を養った選手の台頭が目立っている。キャバリアーズのジェイロン・タイソンもその例にあたるプレーヤーであり、テキサス工科大学やカリフォルニア大学バークレー校を渡り歩いた苦労人は、ケニー・アトキンソンHCを納得させるに十分なアピールをしている。

 タイソンは要所でセンスを光らせる198センチの大型ガードであり、プレシーズンマッチでは4試合に出場して平均16.0分のプレータイムが与えられ、7.0得点、4.3リバウンド、1.3アシストを記録。ロスターの構成によってスコアリングと、ゲームを回すファシリテーターの役割を担うことができ、サマーリーグではトリプルダブルに匹敵する数字を残したように、彼の持つ総合力の高さはキャバリアーズのローテーションを上質に補完してくれるだろう。

■ 若手が躍動する球団の新星

オクラホマシティ・サンダー1巡目26位指名のディロン・ジョーンズ[写真]=Getty Images

 未来ある若手でロスターの大部分を構成するサンダーは、また1人、新たな若き才能を迎え入れてしまったようだ。デイミアン・リラードを輩出したことで知られるウィーバー州立大学出身のディロン・ジョーンズは、大学4年間で右肩上がりの成長を続け、最終学年には平均20.8得点、9.8リバウンド、5.2アシストという抜群のスタッツをマークし、カンファレンスの最優秀プレーヤーに選出された。

 プレシーズンでも仕上がりは良好だ。5試合の平均スタッツは11.2得点、6.6リバウンド、3.6アシスト。さらに、スリーポイントも46.7パーセントの高確率で成功させ、得点はエリアを問わない。アーロン・ウィギンズ、ジェイリン・ウィリアムズ、アイザイア・ジョーなど、サンダーのベンチメンバーはバランスがよく充実しているが、フィジカル面でのストロングポイントもあるジョーンズが将来的に彼らのプレータイムを奪っても不思議ではない。

■ 河村とのコンビネーションに注目

メンフィス・グリズリーズ2巡目39位指名のジェイレン・ウェルズ[写真]=Getty Images

 河村の同僚であるジェイレン・ウェルズは、プレシーズンにおけるドラフトのスティールランキングで最上位に位置するプレーヤーかもしれない。『Bleacher Report』はその類稀な得点力に言及しており、複数のゲームに出場した選手のうち、ウェルズより平均得点が高いのは1位指名のザカリー・リザシェイのみなのである。

 NCAAディビジョン2からキャリアをスタートさせ、3年時にワシントン州立大学に転校した同選手は、アウトサイドショットの効率に目を見張るものがある。河村ともプレータイムを共有したウェルズは、プレシーズン期間中に48.0パーセントの確率でスリーポイントを成功。加えて、試投数が1試合あたり5.0本以上あることも特筆しておかなければならない。

 リバウンドやハンドリングもこなすことができ、2メートル超えとサイズも十分で、デズモンド・ベインのバックアッパーとしてプレータイムが与えられるのは確実。イディー、河村、ウェルズと、今年のグリズリーズは1年目の注目株が目白押しだ。

文=Meiji

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