2025.10.18
NBAは全世界のスポーツビジネスの頂点に君臨していながら、このリーグはまだ“成長過程”にあるのかもしれない。
リーグの資産価値ならびに各球団価値の最新状況を試算した『Sportico』によると、NBAの総資産額は1650億ドル(約24兆7300億円)にまで膨れ上がっており、NBAチームの評価額は昨年だけで平均20パーセントも上昇しているという。
その要因は、ボストン・セルティックス、ロサンゼルス・レイカーズ、ポートランド・トレイルブレイザーズの3球団によるチーム売却だ。これによって、NBAの経済価値は急上昇。球団の平均価値は55億1000万ドル(約8300億円)となり、2022年比では113パーセントまで膨れ上がった。
リーグの球団価値ランキングで頂点に君臨するのが、ステフィン・カリーを擁するゴールデンステイト・ウォリアーズだ。現在のウォリアーズの球団価値は113億3000万ドル(約1兆7000億円)に達しており、この地球上にウォリアーズより評価の高い球団はNFLのダラス・カウボーイズしか存在しない。
If there's one main takeaway from me on @Sportico's latest @NBA valuations, it's this:
The league is moving toward an @NFL-style model. It's gotten closer to fixed costs, and the league-wide media distributions (now $143M) have grown into a significant revenue stream. pic.twitter.com/POw9M6uOkw
— Eben Novy-Williams (@novy_williams) October 16, 2025
ウォリアーズに続くのは、八村塁が在籍するロサンゼルス・レイカーズ。球団価値は100億ドル(約1兆5000億円)と評価され、3位に位置するニューヨーク・ニックスの98億5000万ドル(約1兆4800億円)を抜いて、2位へと浮上した。また、河村勇輝所属のシカゴ・ブルズは61億2000万ドル(約9200億円)で6位、昨年の覇者であるオクラホマシティ・サンダーは43億4000万ドル(約6500億円)で22位にそれぞれランクインしており、最下位はメンフィス・グリズリーズで、評価額は40億ドル(約6000億円)となった。
『Sportico』はこれらの価値推定額を“経営権の完全売却価格”としており、これにはオーナーが保有する不動産や関連事業(WNBAチームなど)も含まれている。ウォリアーズの場合、チケット収入は1試合500万ドル(約7億4800万円)超、ラグジュアリースイートで250万ドル(約3億7400万円)を上乗せし、楽天からは胸スポンサー契約として他球団のほぼ2倍にあたる年間4500万ドル(約67億3900万円)を受け取っている。

[写真]=Getty Images
球団売却は、2010年から2012年までは収益の約3倍が取引価格の相場となっていたが、ユタ・ジャズとミネソタ・ティンバーウルブズが収益の約6倍で売却、シャーロット・ホーネッツ、ダラス・マーベリックス、ミルウォーキー・バックスが約10倍で売却され、さらにフェニックス・サンズの売却は収益の約13倍に匹敵。また、ボストン・セルティックスとロサンゼルス・レイカーズがスポーツチーム史上最高額の売却記録を立て続けに更新し、NBA球団の価値高騰はバブルを迎えた。
こうした状況により、NBAの新規参入の経済的ハードルも飛躍的に高まった。最後の拡張球団であるシャーロット・ホーネッツ(当時のボブキャッツ)は、他の29球団に3億ドル(約450億円)を支払ったが、『Sportico』は次の拡張参加料は60億ドル(約9000億円)規模になる可能性があるとしている。

[写真]=Getty Images
文=Meiji
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