2026.10.16
日本でも連日、個人情報流出が相次いでいるが、2026-27シーズン開幕目前にあるNBAもハッキング被害にあった。NBAの公式Instagramアカウント(@nba)には、一時的に「NBA Coin」と名付けられた暗号資産を宣伝する投稿が掲載された。NBAの公式SNSが偽の暗号資産の宣伝に悪用されるのは、約1年半で少なくとも2度目となる。
『Front Office Sports』によると、NBAの公式Instagramには10月15日(現地時間14日)、「バスケットボールへの情熱とブロックチェーンのイノベーションが出会う場所」として、「$NBA」の購入を促す投稿が出現。そこには「BUY NOW!」という文言とともに、暗号資産のブロックチェーン上にある公開アドレスも掲載されていた。
しかし、NBAが公式に暗号資産を立ち上げたわけではない。投稿はその後削除され、通常のNBA関連コンテンツへと戻っている。NBAは現段階で今回の事案について声明を発表しておらず、どのような方法でアカウントへのアクセスが行われたのかも明らかになっていない。
宣伝されていたのは、誰でも独自の暗号資産を作成できる「Pump.fun」で発行されたミームコインだった。ミームコインとは、企業活動や実物資産などによる明確な価値の裏付けを持たず、話題性やコミュニティーの人気を中心に取引される暗号資産を指す。今回のトークンは投稿の前日に作成されたばかりで、『Front Office Sports』によれば、同日夕方時点の時価総額は約3500ドル(約55万円)にとどまっていたという。
幸いにも、多くの人が詐欺だと察したのか、大規模な注文を集めた形跡は確認されていない模様。それでも、問題は被害額だけではない。NBAのような世界トップクラスのスポーツリーグの公式アカウントから発信されれば、ファンが「リーグ公認の商品」と誤認する危険性は常にある。
しかも、NBAにとってこの手のハッキング被害は初めてではない。
2025年3月には、NBAのX公式アカウントなどが実際に不正アクセスを受け、今回と同じ「$NBA Coin」の立ち上げを装う投稿が掲載されている。当時は「NBA公式デジタル資産」と称し、ブロックチェーンプラットフォームの「Solana」上で発行された暗号資産として宣伝。投稿は約5分で削除され、NBAはアカウントがハッカーに侵害されたことを認めた。
スペインや英国など複数地域のNBA関連アカウントにも同様の投稿が広がったほか、同時期には米モータースポーツのNASCARが運営するX公式アカウントも偽の暗号資産宣伝に悪用されている。なお、今回Instagramで宣伝された「NBA Coin」は、2025年に登場したものと名称こそ同じだが、公開アドレスが異なる別のトークンとみられている。
これらのSNSアカウントは、NBAにとって試合映像やニュースを世界中のファンへ直接届ける重要な発信手段となっている。それだけに、公式アカウントが不正な宣伝に悪用されれば、ファンへの影響も懸念される。世界中から注目を集めるリーグだけに、今後もサイバー攻撃の標的となる可能性はあるが、ファンとしては大きなトラブルなく、コート上の熱戦を楽しみたいところだ。
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