2018.10.25
9月30日(現地時間29日)、今季オフにニューオーリンズ・ペリカンズと契約したジュリアス・ランドルが、シカゴ・ブルズとのプレシーズンゲームでペリカンズデビューを飾った。スターティングパワーフォワードとして出場したランドルは、約24分間のプレーで15得点5リバウンド5アシストとデビュー戦ながらまずまずの適応ぶりを見せた。
過去4シーズン、名門ロサンゼルス・レイカーズでプレーしてきたランドル。206センチ113キロでパワーフォワードとセンターをこなすランドルは、2014年のNBAドラフトにて全体7位という高順位で指名された。しかし意気揚々と挑んだルーキーシーズンは、まさかの開幕戦で右足に重傷を負いシーズンエンド。その後、手術とリハビリを経て迎えた2シーズン目は1試合平均11.3得点、3シーズン目は13.2得点と順調に成長を重ねてきた。そしてオフに制限付きフリーエージェント(FA)となる昨季は、オフのフィジカル強化が功を奏しキャリアハイのフィールドゴール成功率55.8パーセント、1試合平均16.1得点をマーク。しかし、オフにFAとなったポール・ジョージやレブロン・ジェームズといったスーパースターの獲得を狙っていたレイカーズからは、ランドルを評価するようなオファーは届かなった。
自身の価値を示すべく臨んだ契約最終年の昨季、シーズンが始まった当初からメディアでは連日のように、レイカーズがスーパースター獲得を目指す内容の記事が溢れかえっていた。そんな昨季の状況をランドルは、26日(同27日)に現地メディア『The Undefeated』にて掲載されたインタビュー記事でこう語っていた。
「昨季は自分にとって本当に難しいシーズンだった。バスケットボールの側面から、全ての物事が僕を悩ませていたんだ。僕がコントロールすることができない問題があるように感じたね。 僕は自分でコントロールすることが好きな人間なんだ。僕はただ成長しなければならなかった。自分がコントロールできないことを気にている暇はなかったし、それが僕にいい影響を与えることもなかったね。ただ、レイカーズのスタッフ陣は僕の悩みの種ではなかったよ」
実際、昨季のランドルは目覚ましい活躍を見せたにも関わらず、選手起用においても不遇だったと言える。2017-18シーズンのレイカーズでランドルとともに平均16.1得点でチームハイをマークした、2年目のブランドン・イングラムとルーキーのカイル・クーズマは、それぞれ平均出場時間は33.5分と31.2分。一方のランドルは、過去3年間で最も少ない26.7分の出場時間しか与えられていない。またスタメン出場の回数も、2年目以降最も少ない82試合中49試合にとどまった。
とはいえ、新天地での活躍次第ではランドルのスーパースター仲間入りも十分にあり得る。ケンタッキー大学の先輩であるアンソニー・デイビスとのインサイドコンビは互いにサイズがあるうえ高い機動力を持ち、特にディフェンス面においてペリカンズの新たな持ち味となるだろう。ランドル自身も、エースのデイビスを始め現在のチームメイトたちに対して大きな手応えを感じているようだ。
「(デイビスを始め)ドリュー(ホリデー)、ニコ(二コラ・ミロティッチの愛称)、トワン(イートワン・モアの愛称)、イアン(クラーク)らはみんなフロアを広げることができる。プレーオフで彼らがしたことが分かったよ。多くの人が驚いていたが、シーズンをとおしてみていたらそんなに驚くことではないね。彼らはリーグでもトップクラスのオフェンス・ディフェンス力を持ったチームだったんだ」
オフに優勝経験のあるポイントガードのラジョン・ロンドとオールスターセンターのデマーカス・カズンズが抜け、多くのNBAファンはペリカンズの戦力はダウンしたと感じたはずだ。しかし、今季のニューオリンズにはこの男がいる。彼のパフォーマンス次第では、昨季以上のサプライズチームとなることも十分にあり得るだろう。
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