2018.12.19
11月27日(現地時間26日)に行われたワシントン・ウィザーズ戦。ヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデンはゲームハイとなる54得点に8リバウンド13アシスト3スティールというモンスタースタッツを披露。
試合は延長の末、131-135でウィザーズに惜敗してしまうも、この日のハーデンはアンストッパブルなオフェンスマシンとしてコート上で暴れ回った。
ハーデンはこの日、フィールドゴール32投中17本(うち3ポイントは15投中7本)、フリースローを15投中13本成功。ターンオーバー11本で“不名誉なトリプルダブル”も記録してしまったとはいえ、強烈なインパクトを残したことは間違いない。
昨季リーグトップの平均30.4得点を挙げて得点王、そしてシーズンMVPに輝いた29歳は、この試合でキャリア5度目の1試合50得点10アシスト以上を達成。
『ESPN Stats & Info』によれば、この記録を3回以上達成した選手はハーデンのみ。さらに、5シーズン連続で50得点ゲームを記録したのはハーデンのほかにウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)のみ。チェンバレンが216センチ124キロのビッグマンだったことを考慮すると、ハーデンはバックコートにおいて、NBA史上最高級のオフェンスマシンと言っても過言ではない。
ロケッツはウィザーズ戦でチーム2位の平均17.9得点7.7アシストを記録する司令塔クリス・ポールを欠いていたものの、先発に入ったエリック・ゴードンも大爆発。いずれもシーズンハイとなる8本の3ポイント成功に36得点の大活躍を見せた。
ハーデンはこの試合について、『ESPN』へこう振り返っている。
「クリスがいなかったから、俺はアグレッシブになろうとしただけ。それと同時にチームメートたちをゲームに巻き込み、得点しやすいポジションへと導けるようにトライしたんだ」。
この試合、ロケッツはハーデンとゴードンだけで計90得点を奪うという超絶パフォーマンス。NBA史上、先発バックコート陣だけでこの数字を上回ったのは1ペアのみ。2006年1月23日(同22日)にロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアント(元レイカーズ)が史上2位となる81得点を挙げた試合だ。この日、スマッシュ・パーカー(元レイカーズほか)が13得点を挙げて計94得点という記録を保持している。
とはいえ、ハーデンとゴードンは互いにハイスコアを挙げただけでなく、両者合わせて31投中15本の長距離砲をヒット。内外問わず、ウィザーズのディフェンス陣を大いに苦しめた。
ハーデンと主にマッチアップしたウィザーズのブラッドリー・ビールは、試合後にこんな言葉を残している。
「ジェームズについては勉強した。特に彼のステップバックはリスペクトすべきものだ。1オン1になったら、彼が最も望んでいる状況だとわかる。ファウルをもらおうとしているのかもね。僕にとってはチャレンジだから、(彼とのマッチアップは)楽しいものさ」。
一方、ウィザーズのスコット・ブルックスHCは「我々はハーデンを抑えるべく、すべてにトライした。ファウルをコールされることをなくすべく、手を出さないようにしたんだ。それにスイッチしようとしたし、ピック&ロールの際にはショウディフェンスで囲んだりもした。でも彼は信じられないほど高いレベルでプレーしていたんだ。ステップバック3も止めようがなかった」と白旗を揚げていた。ウィザーズとしては、延長の末に勝利できたことがせめてもの救いだったはず。
27日(同26日)終了時点で、ハーデンは平均31.5得点へ上昇し、平均得点でリーグトップに躍り出た。たとえショットの調子が悪くとも、ハーデンはパサーとしてチームメートの得点機会をクリエートすることができる。さらに、直近7シーズンのうち、6度もフリースロー試投数が平均10本を超えており、8割を超える高確率で着実に加点していくこともやっかいな点だろう。
リーグトップの65勝を残した昨季ほどチーム成績は芳しくないものの、ハーデンがリーグ史上最高級のオフェンスマシンであることは疑いようのない事実。今後、ハーデンが1試合における3ポイント成功数(NBA記録は14本)や、コービーが残した81得点という大きな壁を乗り越える日が来るかもしれない。
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