2019.08.20
昨季のファイナルMVPを獲得したカワイ・レナードは、今夏プレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)となった。
ディフェンディング・チャンピオンのトロント・ラプターズ、故郷カリフォルニア州に本拠地を置くロサンゼルス・レイカーズ、そしてロサンゼルス・クリッパーズがレナード獲得競争で先陣を切る中、リーグトップレベルの万能戦士を手に入れたのはクリッパーズだった。
レナードがクリッパーズ入り後に「ラプターズかレイカーズと契約する寸前だった」と明かしており、3チームはきっ抗していたと言っていいだろう。
そんな中、クリッパーズの指揮官を務めるドック・リバースHC(ヘッドコーチ)はレナードを勧誘すべく、シンプルかつ心に響く話をしていたという。
8月5日(現地時間4日)に地元メディア『The Los Angeles Times』へ掲載された記事の中で、リバースHCはこのように振り返っている。
「(大物選手を)リクルートするうえで、いろんなことを話すと思うだろう。だが私は、カワイがそういったことを求めているとは思わなかったから話さなかったんだ。私が彼と話したことは、勝利することとバスケットボールのみ。彼は私がどれだけ勝利に対して本気なのか、私がどれほど勝利について真剣なのかを見ているようだった」。
1970-71シーズンの創設から49シーズンというもの、クリッパーズは本拠地やチーム名の変更を繰り返しながらも、これまで優勝どころかウエスタン・カンファレンス・ファイナルへ出場したことがない。
2010年代に入り、ブレイク・グリフィン(現デトロイト・ピストンズ)、クリス・ポール(現オクラホマシティ・サンダー)、ディアンドレ・ジョーダン(現ブルックリン・ネッツ)たちを擁して5シーズン連続で50勝以上を挙げたとはいえ、彼らとリバースHCがいた時でさえ、クリッパーズがウエスト頂上決戦まで勝ち上がることはできなかったのである。
だが昨季は2年ぶりにプレーオフへと返り咲き、ルー・ウィリアムズやモントレズ・ハレル、ダニーロ・ガリナーリ(現サンダー)、パトリック・ベバリーらを中心に、ゴールデンステイト・ウォリアーズとのファーストラウンドで2勝4敗と大健闘。シリーズ第2戦では31点ビハインドから大逆転勝利を収めるなど、強烈なインパクトを残していた。
ウィリアムズとハレルは健在、さらにベバリーと再契約を結んだことで、クリッパーズは昨季とほぼ同等の戦力を保持しながら、FAでレナード、そしてトレードでポール・ジョージを獲得したことで今季の優勝候補に浮上した。
「皆がチームメートを応援する、皆が仲間意識の一部として、それぞれのゲームを高めていく。それがこのチームを魅力的なスポットにさせたんだ」とジョージはクリッパーズの競争意識の高さについてコメント。
リバースHCの下、今季のクリッパーズはレナードとジョージを中心に、魅力的なタレントを複数擁してフランチャイズ史上初優勝を狙う。
昨季のような一体感を保持しつつ、チーム全体でケミストリーを醸成していくことができれば、その可能性は十分あると言っていいだろう。
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