2019.10.13

ロケッツ新加入のタボ・セフォローシャ「経験やディフェンスの意識などで貢献できる」

ジャパンゲームズ初戦で10得点2スティールを挙げたセフォローシャ[写真]=Getty Images
NBA好きが高じて飲食業界から出版業界へ転職。その後バスケットボール雑誌の編集を経てフリーランスに。現在はNBAやBリーグのライターとして活動中。

「このチームに来ることができて幸せですし、シーズンがすごく楽しみ」

 9月下旬。ヒューストン・ロケッツはキャリア13年のベテランフォワード、タボ・セフォローシャと1年契約を結んだ。

 スイス出身のセフォローシャは、かつてオクラホマシティ・サンダーでジェームズ・ハーデンラッセル・ウェストブルックとプレーしており、2012年にはNBAファイナルも経験。特にウェストブルックとは、長いあいだ先発バックコートを組んできた経験を持つ。

ベンチスタートでジャパンゲームズ初戦に登場したセフォローシャ[写真]=伊藤 大允

「NBA Japan Games 2019 Presented by Rakuten」(以降、ジャパンゲームズ)初戦。セフォローシャはベンチスタートながら約15分の出場でフィールドゴール3本(うち3ポイント2本)とフリースロー2本をすべて決め切り10得点に2スティールをマークし、まずまずの結果を残した。試合後の囲み取材で、セフォローシャはロケッツ加入についてこう語っている。

「ヒューストンから接触があった時、個人的にもいいフィットになると思いました。僕は経験、ディフェンス面の意識、そして3ポイントを決める能力などで、このチームに貢献することができます。ジェームズ(・ハーデン)とラッセル(・ウェストブルック)は、多くのディフェンダーを引き付けることができるので、僕らにはフリーな状態でショットを放つチャンスが多く訪れます。それこそが僕の得意なプレースタイルなので、このチームに来ることができて幸せですし、シーズンがすごく楽しみです」。

 セロフォーシャと言えば、やはりペリメーターのディフェンダーというイメージが強いのだが、トロント・ラプターズとのジャパンゲームズ初戦について、「そこまで良くはありませんでした」と振り返った。

 それでも、「まだプレシーズンで学ぶ時期なので、修正している点はいくつかあります。全体的にはいいパフォーマンスができたと思っています。いいエネルギーがあった点は良かったので、あとは相手のどのような場面を封じ、どのような場面を許すかなど、チームとして理解していく必要があります」とベテランは言う。

 とはいえ、サンダーから退団後は、ハーデンやウェストブルックをガードする側にいただけに、彼らとチームメートになったことは「最高な気分だね」と切り返し、「同じユニフォームを着て彼らがプレーする姿を見られるのは最高です。ジェームズは今夜もすばらしかったので、本当にいい1年になると思います。今でもすごく楽しんでいます」と期待を寄せていた。

セフォローシャは短時間ながら、効果的なプレーを見せた[写真]=伊藤 大允

愛用するAir Maxについて「本当にいいシューズ。コート上で履くに値する」

 ちなみに、ペリメーターで動き回るセフォローシャには、ほかの選手たちとは違った側面がある。世界屈指のアスリートたちが集結するNBAのコートで、セフォローシャはバスケットボールシューズではなく、ランニングシューズの「Nike Air Max」を愛用している。

「今履いているのは1990年代のモデルです。過去4,5年は、それを履いてプレーしています」とセフォローシャは言う。そしてそのきっかけについて、「数年前、夏にケガからの復帰を迎えていた時に着用して感触が良かったので、次に練習で履いてみました。そこでも感触が良かったので、自然と次のステップは試合で履くことになり、そこでも良かったんです」と振り返る。

 NBA選手の中にはローカットモデルを着用するケースもあれば、歴代屈指の名司令塔ジョン・ストックトン(元ユタ・ジャズ)はテニスシューズでプレーしていたこともあったのだが、セフォローシャのバッシュのチョイスもなかなか個性的と言っていいだろう。

「Air Maxを履きながら、どうやったらいいディフェンスができるんですか?」と記者から聞かれると、「使えますよ。本当にいいシューズなんです。時代の流れに負けることがないので、コート上で履くに値します。僕にはすごく合っています」とセフォローシャ。

4、5年前からセフォローシャが愛用する1990年代のAir Max[写真]=Getty Images

 そして「今はまだプレシーズンですが、新しいカラーも楽しみにしていますし、新型の『Air Max PE』(Player Exclusives)も出せたらうれしく思います」と今後に向けて新たなモデルを着用する可能性があることも示唆した。

 ロケッツにはハーデンとウェストブルックという2人のプレーメイカーがおり、エリック・ゴードン、オースティン・リバースなどボールハンドラーも在籍しているため、セフォローシャにはオフェンスでは3ポイントを沈めること、ディフェンスでは相手チームのスコアラーをガードすることが期待されている。

 プレーオフという大舞台に向けて、プレータイムは短くしつつ、時には休養を与えられることになるだろう。それでも、ボールを持たなくても自身の持ち味を発揮できる点はロケッツにとって好都合。ハーデンとウェストブルックという“ダイナミックデュオ”を支えるロールプレーヤーとして、うまくフィットすることができるに違いない。

文=秋山裕之

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