2020.01.09
今夏ヒューストン・ロケッツからトレードでオクラホマシティ・サンダーへ移籍したクリス・ポールは、若手を率いながら先発ポイントガードとしてプレーしている。
開幕前、サンダーは戦力不足のためウェスタン・カンファレンス下位予想だったものの、12月4日(現地時間3日)終了時点でウェスト9位タイの8勝11敗。ニューオーリンズ・ペリカンズとの2連戦を制し、ここ4戦で3勝と好調だ。
キャリア15年目の34歳にとって、サンダーで悲願のチャンピオンリング獲得を狙うことは非現実的ではあるものの、ポールは現状について現地メディア『The Undefeated』へこう語っている。
「僕はバスケットボールが大好きなんだ。コートに立っている限り、僕らには勝利するチャンスがある。それは僕がこれまでのキャリアでずっとやってきたこと。今後もそれは変わらない。今でもプレーできていることに感謝しているよ。大いに価値があることかもしれないね」。
今季のポールは平均30.5分15.7得点4.2リバウンド5.7アシスト1.7スティールと、これまでのキャリアの中でワーストに近い成績となっているものの、抜群のリーダーシップでサンダーをまとめている。
サンダーの指揮官を務めるビリー・ドノバンHC(ヘッドコーチ)は言う。
「クリスは7月にこのチームへやって来て、4日間を過ごしたんだ。そこでチームメートたちとも時間を過ごし、ディナーにも行っていた。彼は若手選手たちにとってすばらしい存在なんだ。特に感心するのはプロフェッショナリズムだね。34歳の男は朝8時30分に来て、身体のケアをして身体にいいものを食べている。まるで『僕は34歳なんだ。若い選手たちと一緒に過ごす時間はないんだ』と言ってるようにも思える。でも彼は本当に人々を惹きつける人間だから、すばらしいチームにしてくれている」
そのポールが、今夏ロケッツからサンダーへトレードされた背景について明かしていたので紹介したい。
昨季のプレーオフでジェームズ・ハーデンと口論になったことが話題となっていたが、ポールによるとトレード後から全く言葉を交わしていないことを認めた。「これも人生。そういうことも起きる。これが現実なのさ。でも彼の幸運を願ってるよ」と明かしたポールだが、トレードの数日前にはダリル・モーリーGM(ゼネラルマネージャー)と会話をしていたという。
「(トレードは)ショックだった。正直に言ってほしかったんだ。僕はトレードの2、3日前にダリルと話して、彼は『君をトレードするつもりはない』と言っていたんだ。でもトレードは実現してしまったのさ」。
優勝候補ロケッツから再建へと乗り出したサンダーへ、突如トレードになったことは、本人の言うとおりショックだったに違いない。
それでも、プロバスケットボールプレーヤーとして新たな環境へアジャストしたポール。サンダーを予想外の好成績へと導いているベテランの働きは、称賛に値するものだと言っていいはずだ。
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