2020.01.11
12月19日(現地時間18日)に行われたトロント・ラプターズ対デトロイト・ピストンズによる一戦は、112-99でラプターズに軍配。
昨季MIP(最優秀躍進選手賞)に輝き、今季はラプターズのエースとしてプレーするパスカル・シアカムがゲームハイの26得点に5リバウンド3アシスト4ブロック、サージ・イバカが25得点13リバウンド、カイル・ラウリーがトリプルダブル(20得点10リバウンド10アシスト)、OG・アヌノビーが19得点8リバウンドを記録し、3連勝を飾った。
敗れたピストンズでは、アンドレ・ドラモンドが22得点18リバウンド2スティール2ブロック、デリック・ローズが16得点5アシスト、ブレイク・グリフィンが15得点を飾るも2連敗。
ピストンズのドウェイン・ケイシーHC(ヘッドコーチ)と言えば、一昨季までラプターズの指揮官を務め、プレーオフの常連チームへと押し上げた功労者。ケイシー前HCの後を継ぎ、アシスタントコーチ(AC)からHCへと昇格したニック・ナースとは、長年ラプターズを指揮していたコーチ同士で、いわゆる師弟対決となった。
実はこの試合前、ケイシーHCは地元メディア『The Detroit News』へシアカムについて「私は彼(シアカム)がスーパースターになれるとは見ていなかった。そして今、彼はこのリーグでスーパースターになっている」と明かしていた。
ラプターズの指揮官として、ケイシーHCはシアカムの2シーズン目までを見てきたが、2016年のドラフト1巡目27位で指名したカメルーン出身のフォワードのことを高く評価していなかったという。
「彼は最初のシーズンに38試合で先発を務めたが、今の我々で言うブルース・ブラウンのような選手だった。(相手チームの)ベストプレーヤーをガードしていたけど、うまくはなかったんだ。彼のシューティングについても(チームの選択肢のうち)最後の手段だったからね」とケイシーHCは振り返る。
ケイシーHCがラプターズを最後に指揮した一昨季、シアカムは81試合に出場して平均20.7分7.3得点4.5リバウンド2.0アシストと成績を伸ばし、ローテーション入りしていた。
もっとも、ケイシーHCはシアカムのハードワークぶりには驚いていたという。
「夏の間、彼を見ていたんだが、この男が今後どこまで良い選手になるのか見てみたいと感じていたよ。彼はロードマネジメント(選手の疲労管理/計画的に休ませること)について心配する必要はないと思ったね。1日に3回も練習するくらいだったんだ。そこで彼は、ロサンゼルスでオフェンス面のスキルを向上させていた。そこで彼は、自身のゲームを上達させたんだ」
そして先発パワーフォワードに定着した昨季、シアカムは平均31.9分16.9得点6.9リバウンド3.1アシストを記録してMIPを獲得。プレーオフでもカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)に次ぐチーム第2のオプションとして躍動し、フランチャイズ史上初のNBA制覇に大きく貢献。
「私は彼について、このリーグで有能なスターターになると思っていた。でも、彼は自らの努力で今の地位を確立したんだ」と、ケイシーHCはシアカムを称えていた。
ディフェンディング・チャンピオンのラプターズで、エースとして活躍を続けるシアカムは、ここまで平均36.6分25.1得点8.0リバウンド3.6アシスト1.0スティール1.0ブロックを記録しており、長期欠場がない限り、オールスター初選出は確実。
25歳のシアカムが、今後どれほどの選手へと飛躍を遂げるかは興味深い。イースタン・カンファレンスにおいて、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)の対抗馬として、毎年ファイナル進出を争う選手になる可能性も十分ありそうだ。
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