2020.06.20
2月7日(現地時間6日、日付は以下同)のトレードデッドラインを前に、ヒューストン・ロケッツはクリント・カペラ(現アトランタ・ホークス)を4チーム間のトレードで放出し、ミネソタ・ティンバーウルブズからロバート・コビントンを獲得した。
これにより、ロケッツのロースターにはタイソン・チャンドラー、アイザイア・ハーテンスタインという213センチのビッグマンこそいるものの、主要ローテーションで最長身は201センチのコビントンとなり、196センチ111キロのPJ・タッカーが事実上の先発センターに。
フィジカルコンタクトに長けた屈強な肉体を誇り、粘り強いディフェンスに定評があるタッカーは、コーナースリーの名手としても知られる名脇役。泥臭い仕事からクラッチショットまでこなす34歳は、今季ここまで平均34.9分7.4得点7.0リバウンド1.7アシスト1.2スティールを記録。
10日のユタ・ジャズ戦では、残り1.6秒にロケッツを2点リードへと導く3ポイントをヒット。この試合では3本全ての長距離砲を沈めて9得点に3リバウンド4アシストをマークし、出場時間帯における得失点差でチームトップの+10を残していた。
試合はボーヤン・ボグダノビッチにブザービーターで逆転の3ポイントを決められてしまい、ロケッツは惜敗となったものの、ロケッツがタッカーを高く評価していることに疑いの余地はない。
同日、タッカーは来季の契約が全額保証になると『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が報道。約800万ドル(約8億7,200万円)のうち、約260万ドル(約2億8,340万円)しか保証されていなかったのだが、ここにきて全額保証となった。
これまでのキャリアにおいて、タッカーはスタッツリーダーになったこともなければ、アウォードに選出されたこともない。だがロケッツにおいて必要不可欠な戦力であり、昨季まで2年間、プレーオフで激突してきたケビン・デュラント(当時ゴールデンステイト・ウォリアーズ/現ブルックリン・ネッツ)も認める実力者。
昨年9月、「リーグでベストな1オン1ディフェンダーは誰?」というファンからの質問に、デュラントは「PJ・タッカーだ」と答えており、フィジカルの強さでぶつかってくるタッカーを評価していた。
ジェームズ・ハーデン、ラッセル・ウェストブルックという“MVPデュオ”、マイク・ダントーニHC(ヘッドコーチ)にとっても、タッカーは心強い存在となっているだけに、ロケッツ側の判断は当然と言えるだろう。
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