2020.08.21
再開に向けて着々と準備が進むNBA。だが、各球団のコーチ陣やフロントは、来季の計画を水面下で進めているはずだ。
オフシーズンに突入すれば、未来のスターが紛れ込むドラフトの指名予想に湧き立つが、それ以上にフリーエージェント(FA)との契約は、即戦力を迎えられるまたとない機会であり、来季の勢力図に影響を及ぼすこととなる。
本稿では一足先に、2020年にFAになる有力選手たちを予習しておこう。
最大のビッグネームは間違いなく、レイカーズの「3」だろう。しかし、彼がLALを出ていく可能性は、雀の涙程度と言える。デイビスは、レブロン・ジェームズとのケミストリーを確立。今季は強豪ひしめくウェスタン・カンファレンスで首位を走り、勝率は77.8%を誇る。順当にいけば、デイビスは今季終了後、キャリア初のチャンピオンリングを指にはめているはずだ。
また、レブロンがキャリアの終盤にあることから、デイビスに将来性を感じるのは当然のこと。彼は数年後にMAX契約を手にするべく、今シーズン終了後に2900万ドル(約31億円)のプレーヤーオプションを拒否し、再び短期契約を結ぶと予想されている。
愛すべきトロント・ラプターズからトレードされても、デローザンは新天地で安定した活躍を継続。依然として3ポイント成功率は低調なままだが、それでも7シーズン連続で1試合平均20得点を超えている。
デローザンも今季終了後に2,770万ドル(約29億円)のプレーヤーオプションを所有しているが、情報通の記者たちは彼がオプトアウトし、FAになると推測。デローザンはスパーズの現状に満足していないと噂されており、契約延長についても言葉を濁している。今季は有力選手のFAが少ないため、デローザンが市場に出れば、人気株になることは間違いなし。そうなった場合、現地メディア各社は、ニューヨーク・ニックスやマイアミ・ヒートが本腰を入れるのではないかと伝えている。
NBAでも指折りのオシャレ番長なくして、ラプターズは優勝旗を掲げることはできなかっただろう。NBAオールディフェンシブチーム1stチームに3回選出された守備の要は、攻撃でも随所で存在感を発揮。今季もこれまで16.0得点/8.3リバウンドと好調で、3ポイント成功率も40%近く、30歳にしてなお成長を続けている。
コート上のみならず、オフコートでも持ち前のキャラクターでムードメーカーとなる彼の存在は、チームにとって非常に大きい。イバカは今年4月、インスタグラムライブでラプターズとの再契約を望んでいることを公言していた。しかし、一部ではオクラホマシティ・サンダー時代にチームメイトだったケビン・デュラントがブルックリン・ネッツで再結成を熱望しているとも言われている。ラプターズは、マーク・ガソルやフレッド・バンブリートも今季終了後にFAとなるため、イバカとの契約も含め、立ち回りが注目されている。
2016年にラプターズに加入したバンブリートは、ドラフト指名外から入団だった。サマーリーグに参加し、その後のトレーニングキャンプを経て、ようやくNBA選手の切符を手にした同選手は、当初はローテーションにさえ名を連ねていなかった。しかし、闘犬はそこから急速に成長し、3年目にはベンチプレーヤーの一番手に。昨季優勝を果たしたプレーオフでの活躍は誰もが評価するもので、今季はスターターの座を掴み、平均17.6得点/6.6アシストという数字は、それぞれチーム3位と2位に値する数字だ。
ラプターズとバンブリートは、相思相愛だ。しかし、ラプターズは2021年にFAとなるヤニス・アデドクンボ獲得を画策していると言われていることに加え、先に述べたとおり、同選手以外にも主力のFAがあることから、今年の夏は複雑な状況になる。もし、ラプターズが誠意を示せなかった場合、敬愛するドウェイン・ケーシー率いるデトロイト・ピストンズに活躍の場を移すかもしれない。
渡邊雄太がリーグで最も尊敬するコンリーは、NBA入団当初から過ごしたメンフィス・グリズリーズを旅立ち、ドノバン・ミッチェルとリーグトップクラスのバックコートを形成した。彼は今季終了後のETO(早期契約終了選択権)を所有しており、これを行使すれば、シーズン終了後にFAになることができる。
しかし、コンリーは2020-21年シーズンに3450万ドル(約37億円)のプレーヤーオプションを所有しており、これを破棄するとは考えづらい。だが、32歳という年齢は長期契約を締結する最後のチャンスだけに、魅力的なオファーがあれば再び移籍を決断するかもしれない。
上記5選手のほかにも有力選手は存在する。例として、ブランドン・イングラム(制限付き)やゴードン・ヘイワード(プレーヤーオプション)、ジョー・ハリス(制限なし)、オット・ポーター・Jr.(プレーヤーオプション)、トリスタン・トンプソン(制限なし)などが挙げられるだろう。
ただ、昨年と比較すると、ビッグネームの移籍は少なくなりそうな印象。シーズンオフに手持ち無沙汰になったファンたちは、記述の選手たちの動向を追いかけてみてはいかがだろうか。
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