2020.09.11

クリッパーズ指揮官がレナードを絶賛「機械的というよりも外科的という言葉が合うね」

クリッパーズをけん引するレナード[写真]=Getty Images
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「彼がこなしていることはシステムそのものなんだ。彼には信念があり、そこにこだわっている」とドック・リバースHCがエースについて分析

 キャリア9年目となった今季、カワイ・レナードは新天地としてロサンゼルス・クリッパーズでプレーすることを決断し、ここまで見事なパフォーマンスを見せている。

 レギュラーシーズンではいずれもキャリアハイとなる平均27.1得点4.9アシストにフリースロー成功率88.6パーセント。平均32.4分の出場時間ながら7.1リバウンド1.8スティールと上々の成績を残している。

 プレーオフでもここまで平均38.6分29.2得点9.8リバウンド5.7アシスト2.3スティールを残しており、フィールドゴール成功率は51.5パーセントと、エースとして十分合格点を与えられる数字と言っていい。

今年のプレーオフで、レナードはミドルレンジから放ったショットを7割近い成功率で沈めている[写真]=Getty Images

 9月10日(現地時間9日、日付は以下同)に行なわれたデンバー・ナゲッツとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦ではゲームハイの30得点に11リバウンド9アシスト4スティール2ブロックの大暴れで勝利の立て役者となり、クリッパーズはフランチャイズ史上初のカンファレンス・ファイナル進出まであと1勝に迫っている。

 今季からレナードを指導するドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は試合後の会見で、チームの大黒柱についてこう話していた。

「外科的というのはいい言葉だね。だが機械的というのは良いとは言えない。彼がこなしていることはシステムそのものなんだ。彼には信念があり、そこにこだわっている。私が言いたいのは、彼が今どの位置にいて、何が必要なのかを察して向上すべく取り組むことができる能力がすばらしいということ。自分のゲームを理解し、向上するためには何をすべきか分かっている男を見つけるのは珍しいことなんだ」。

スパーズでディフェンダーとして頭角を現し、その後オールラウンダーへと飛躍していったレナード[写真]=Getty Images

 2011年のドラフト1巡目全体15位でインディアナ・ペイサーズから指名されたフォワードは、当日にサンアントニオ・スパーズへと移籍。スパーズでディフェンダーとしてNBAキャリアをスタートさせると、リーグ最高級のディフェンダーへと成長を遂げ、ここ数年はリーグ屈指のスコアラーとしての地位も確立。

 14年のファイナルでMVPを獲得したレナードは、昨季トロント・ラプターズで自身2度目のNBAチャンピオンに輝き、2度目のファイナルMVPも手にした。今季は自慢のミドルレンジゲームに磨きをかけ、このプレーオフではここまでミドルレンジから放ったショットの成功率が69.6パーセント(32/46)と、驚異的な数字を残している。

 決して口数が多い選手ではないものの、レナードはトレーナーと共に自分自身の現状を客観的に見つめて、練習が必要な部分、あるいは改善すべき点、または新たな武器として加えたい要素を的確に分析して自身のゲームにメスを入れてきたことで、攻防兼備のスーパースターへと成長を遂げてきた。

「彼のシューティングを見ていて、申し分ない夜もいくつかある。彼は自身が考えている数字をはるかに超えていることもあるんだ。だがそれでも、彼の中では快適なレベルには達していない。選手たちのプレーを見ていれば分かると思うが、なかにはタフな夜もあればストップされて不調に終わることもある。でも彼はそうはならないね。そこが彼のすごいところなのさ」と指揮官は言う。

 ナゲッツとのシリーズで3勝1敗と王手をかけたクリッパーズだが、レナードは「俺たちはまだやらなければいけないことがたくさんある。まだ戦っているんだから」と気を引き締めており、試合後のロッカールームは「何の反応もなかったね。我々はまだ何も成し遂げてはいないんだ」とリバースHCが話しているように、一切の油断もない。

 所属チームを確実に勝利へと導くレナードは、今年クリッパーズで虎視眈々とチャンピオンシップの座を狙っている。

プレーオフに入ってからも好調を維持するレナードの活躍から目が離せない[写真]=Getty Images

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