2020.09.20
今季マイアミ・ヒートはイースタン・カンファレンス5位の44勝29敗でレギュラーシーズンを終え、プレーオフに入って快進撃を続けている。
ファーストラウンドではインディアナ・ペイサーズを4戦無敗のスウィープ、カンファレンス・セミファイナルではリーグトップの戦績を残したミルウォーキー・バックスを5戦(4勝1敗)で下し、2014年以来初のカンファレンス・ファイナル進出を決めた。
ヒートはジミー・バトラーという大エースがいるものの、その周囲にはビッグマンのバム・アデバヨ、司令塔のゴラン・ドラギッチ、3ポイントとディフェンスに秀でた“3&D”のジェイ・クラウダー、シューターのダンカン・ロビンソン、百戦錬磨の職人アンドレ・イグダーラ、強心臓ルーキーのタイラー・ヒロなど有能な選手が脇を固めている。
特にキャリア3年目の今季、万能型ビッグマンとしてオールスターに初選出されたアデバヨの存在は大きくなっていると言っていい。
レギュラーシーズンをいずれも自己最高となる平均33.6分15.9得点10.2リバウンド5.1アシスト1.1スティール1.3ブロックで終えた23歳は、プレーオフでもここまでの9試合で平均35.3分16.2得点11.7リバウンド4.8アシストと、見事な働きを見せている。
その一方、今季の最優秀躍進選手賞(MIP)では最終候補に入っていたのだが、アデバヨは計295ポイントでブランドン・イングラム(ニューオーリンズ・ペリカンズ/計326ポイント)に一歩及ばず落選。
また、ドラフト外ルーキーのケンドリック・ナン(計204ポイント)は新人王の最終候補に入ったものの、ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ/計498ポイント)が1位票を99人から獲得する圧勝劇でこちらも落選。今季ヒートの選手たちはレギュラーシーズンにおける個人賞では縁がないと言っていいだろう。
そんな中、アデバヨがメディアの前でそのことについて発言した。9月12日(現地時間11日)に行なわれたチーム練習後に「俺たちはそのことについては無視しようとしてきた」と切り出し、自身の思いをこのように口にした。
「結局、最後のゴールというのは『オーケー、俺たちは全てに勝利した』ということなんだ。俺たちが欲しいのは(チャンピオン)トロフィーなのさ。もし俺たちが優勝すれば、MIPはどうでもいい。受賞すれば、それはそれでいい栄誉だと思う。でも最終的に、俺たちはチャンピオンシップを勝ち取りたい。俺はリングを手にしたいのさ」。
2013年以来、フランチャイズ史上4度目の優勝を目指すヒート。NBAファイナル進出をかけて戦うのは、12日にシリーズ第7戦が行なわれるトロント・ラプターズとボストン・セルティックスの勝者。特にMIPを逃したアデバヨは、次のラウンドに向けてモチベーションを高めているに違いない。
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