2021.09.10
就任2シーズン目となった昨季、モンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ)はフェニックス・サンズを11年ぶりのプレーオフ進出へと導き、チームは1993年以来初となるウェスタン・カンファレンス覇者となった。
フランチャイズ史上初優勝をかけて臨んだミルウォーキー・バックスとのNBAファイナルで、サンズはホームで2連勝と好スタートを切ったものの、翌第3戦から4連敗を喫して2勝4敗で敗戦。NBAチャンピオンは今季以降にお預けとなったものの、昨季見せたサンズの快進撃は、指揮官の存在抜きには語れない。
ファイナル敗退から約3週間が経過した8月14日(現地時間13日、日付は以下同)。ウィリアムズHCは『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者のポッドキャスト番組へ出演。
100-120で大敗したシリーズ第3戦。22点ビハインドで迎えた第4クォーターに、エースのデビン・ブッカーを起用したかったことについてこう明かしていた。
「第3戦で、皆が知らなかったこと。それはブックがハムストリングの痛みと向き合っていたことなんだ。彼は本来のプレーができずに非難を浴びることになった。でもわかってほしいのは、彼はそのせいで基本的に片足のみのプレーを余儀なくされていた。彼のような選手たちはタフで、言い訳にしたくはない。そのことを一切口にしたくないんだ」。
ブッカーはこの試合でフィールドゴール成功率わずか21.4パーセント(3/14)の10得点に終わっていた。その後の第4戦で42得点、第5戦でも40得点と爆発し、周囲の批判をかき消したものの、チームを勝利へと導くことはできなかった。
「その部分が私を悩ませていたんだ。ファイナルの期間中、デビンとクリス(ポール)について(ケガをしていると)聞いていたからね」とウィリアムズHCが話したように、ポールも左手首を痛めており、サンズはトップ2がケガを抱えてプレーしていたという。
ブッカーはその後、アメリカ代表に合流して東京オリンピックで金メダルを獲得。ポールはファイナル終了後に左手首の手術を受けたものの、幸いなことにトレーニングキャンプには間に合う見込みのため、大きな影響を与えることではなさそうだ。
長丁場のレギュラーシーズン、プレーオフを戦い、なおかつ相手の徹底マークに遭うだけに、エース級の選手たちがケガや痛みを抱えてプレーすることは珍しくない。なかには欠場せざるを得ないほどの大ケガを負うこともあるが、ブッカーとポールはケガしていることを隠しとおし、それを言い訳にせずコートで戦い切ったということ。
サンズは今オフにポール、キャメロン・ペイン、フランク・カミンスキー、アブドゥル・ネイダーと再契約。トーリー・クレッグこそインディアナ・ペイサーズへ移籍に合意と報じられたものの、ジャベール・マギー、エルフリッド・ペイトンと契約合意し、トレードでランドリー・シャメットというシューターも獲得。
今季はこれまでの追う立場から追われる側へと変わるものの、ポールとブッカーを中心に、サンズは勝ち星を積み重ねていくと期待したい。
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