2021.09.06

ヒートへ加入したカイル・ラウリー「チャンピオンシップ獲得を心底狙っていると感じた」

今夏ラプターズからヒートへ移籍したラウリー[写真]=Getty Images
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 今夏制限なしフリーエージェント(FA)となったカイル・ラウリーは、9シーズン過ごしたトロント・ラプターズを離れ、サイン&トレードでマイアミ・ヒートへ移籍した。

 35歳のベテランと3年8500万ドル(約92億6500万円)の高額契約を結んだヒートのパット・ライリー球団社長は「カイル・ラウリーはすばらしいリーダーであり、きわめて優秀なディフェンダーです。ポイントガードとして、彼はオフェンスを指揮するうえで重要なスキルを持ち込み、得点することでしょう」と最大級の賛辞を送っている。

 2006年のドラフト1巡目24位と、下位指名でNBAキャリアをスタートさせた苦労人は、12年夏に加入したラプターズでチャンスをモノにし、オールスター常連へと成長を遂げた183センチ88キロのパワーガード。

 19年にラプターズが達成したフランチャイズ史上初優勝では、カワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)がファイナルMVPに輝き、パスカル・シアカムが2番手スコアラーを務めたものの、ハート&ソウルとしてゴールデンステイト・ウォリアーズの前に立ちふさがり、攻防両面に渡って重要な働きを見せていた。

 ラプターズでレジェンドとなり、チーム史上初の永久欠番入りも確実視されているのだが、ラウリーは2つ目のチャンピオンシップ獲得を目指して新たな挑戦へと切り替えた。

「僕にとってはチャンピオンシップを手にするか失敗するかのどっちかだ。マイアミ・ヒートへ行くことは彼らがそれを望んでいると感じたから。あそこにはジミー・バトラーという僕の親友もいる。マイアミは、チャンピオンシップを勝ち取りたいと心底狙っているんだと僕は感じたんだ」。

 ラウリーは9月2日(現地時間1日)にCJ・マッカラム(ポートランド・トレイルブレイザーズ)のポッドキャスト番組へ出演した際にそう話している。

 昨季ラウリーのトレードについては何度もウワサに上がり、故郷のフィラデルフィア・セブンティシクサーズへのトレードが報じられることもあったが、それはラウリーが誰よりも勝利を望んでいるからだったのかもしれない。

 ラプターズは19年夏にレナードとダニー・グリーン(現シクサーズ)、20年にはマルク・ガソル(現ロサンゼルス・レイカーズ)とサージ・イバカ(現クリッパーズ)が退団。その度に新加入選手を加えてきたものの、昨季はプレーオフ進出を逃がしてしまったことで、ラウリーは優勝候補の一角でプレーしたかったのではないだろうか。

「もしチャンピオンシップのためにプレーしていないんだとしたら、いったい何のためにプレーしているんだ? それが僕のフリーエージェンシーにおけるプロセスだったんだ。『僕はどこに行けばチャンピオンになれるのか?』とばかり考えていた」。

 ラウリーが入団したヒートは、20年にイースタン・カンファレンスを制し、NBAファイナルへ進出したチーム。バトラー、バム・アデバヨというオールスター級のデュオを擁し、その周囲にはダンカン・ロビンソン、タイラー・ヒーローという頂上決戦を経験した選手たちがいる。

 さらに今夏のFA戦線では昨季ミルウォーキー・バックスでチャンピオンとなったPJ・タッカー、一昨季にレイカーズで王者となったマーキーフ・モリスという優勝経験者も加えており、ビクター・オラディポやドウェイン・デッドモン、ユドニス・ハズレムもいることから、イーストの覇権争いに十分絡むことができる戦力を有している。

 はたして、ラウリーはバトラーやアデバヨと共に自身2度目の王座獲得を実現できるのか。是非とも注目していただきたい。

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