2021.09.06
NBAはシーズンの佳境を迎えているが、頂点に届かなかった球団は一足先に来季のチーム作りに着手している。例えば、ボストン・セルティックスはブラッド・スティーブンスがバスケットボール運営部代表に転身し、早くも敏腕ぶりを発揮。課題とされていたケンバ・ウォーカーの去就をアル・ホーフォードの復帰という形で、いとも簡単にまとめてみせた。
こうしたトレードはもちろんのこと、フリーエージェント(FA)もまた、来季の行方を大きく占う可能性を秘めている。特に、今回は面白味のあるガード陣が多数市場に名を連ねる。そこで、本稿ではこの夏にFAを迎えるガードに限定して、注目選手をリストアップした。
1試合平均21.6得点 (リーグ25位)6.9アシスト(リーグ12位)は、いずれもチームトップの成績。また、3ポイントシュートは得意としていないものの、フィールドゴール成功率は49.5パーセントと高確率で、さらに平均ターンオーバー2.0本は特筆すべきスタッツだ。ルカ・ドンチッチが4.3本、ステフィン・カリーが3.4本であることを考慮すれば、非常にミスが少なく、いかにオフェンス効率に優れたガードであるかがお分かりいただけるだろう。
デローザンは、オフにトレードに踏み切らなかったスパーズ残留の可能性もある。しかし、“インパクト”を求めているメンフィス・グリズリーズや、さらなる躍進に期待がかかるニューヨーク・ニックス、そして自身が愛すべき故コービー・ブライアントの古巣であるロサンゼルス・レイカーズなどが新天地候補に挙がっており、引く手あまたの状況。どこへ行っても戦力上昇が確約される選手だけに、ステップアップを目論む球団は真剣にオファーを提示することだろう。
ロンゾは制限付きFAのため、現在のポールポジションには現所属のペリカンズが陣取っている。エリック・ブレッドソーはパッとせず、ロンゾとホットラインを形成していたザイオン・ウィリアムソンも退団希望の噂が後を絶たないなど、球団としてはこれ以上の弱体化は避けたいはずだ。しかし、少し前にペリカンズはロンゾをトレード候補にしていたことを忘れてはならない。その際の候補であったシカゴ・ブルズはキャップスペースに十分な空きがあり、ニコラ・ブーチェビッチをチームに迎えて再起の準備は整いつつある。そして、球団に欠けているポイントガードのポジションに、ロンゾはぴったりの配役になるだろう。
その一方で、ロンゾがクラッチスポーツとエージェント契約を結んだことも、新天地選びを大きく左右する可能性がある。もしかすると、リッチ・ポールはロンゾをニューヨークへと連れて行き、再びジュリアス・ランドルとのペアを組ませるビジョンを描いているかもしれない。
そんなロビンソンも、新たな契約を手にする時を迎えている。ヒートは残留を最優先にオファーを検討するはずだが、ケンドリック・ナン、ビクター・オラディポ、ネマニャ・ビエリツァ、トレバー・アリーザなど、多くの選手が満期を迎え、チームの主軸であるジミー・バトラーとバム・アデバヨとは高額契約を結んでおり、サラリーキャップにも決して余裕があるわけではない。
昨今、シューターは不足しがちなエッセンスで、マーケットでも人気筆頭株。ロビンソンに熱視線を送るチームは決して少なくない。ダラス・マーベリックス、サンアントニオ・スパーズ、メンフィス・グリズリーズ、ニューヨーク・ニックスなどが可能性を探っている模様だ。また、一部ではゴールデンステイト・ウォリアーズにスプラッシュブラザーズの三男が誕生するという噂も。制限付きFAのため、現状はヒート残留が最有力とされているが、果たしてどうなるのだろうか。
かといって、本人もファンもまだまだ引退を許すわけがない。今シーズンは35歳にして1試合平均17.2得点、7.3アシストをマークし、後輩のフレッド・バンブリートにも威厳を示した。
次の行先には、ラウリーの故郷に本拠地を置き、ガードと経験が不足しているフィラデルフィア・セブンティシクサーズのほか、マイアミ・ヒートやニューヨーク・ニックスなどが挙がっているが、ラプターズもラウリー残留に向けて、できることのすべてを行う構えを見せている。味方を最大限に活かすコートビジョンとハードなディフェンスは健在だけに、動向が気になる選手の1人。同じくFAのデローザンとどこかで合流…そんな淡い期待も抱いてしまう。
文=Meiji
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