2022.05.29
一昨季のイースタン・カンファレンス覇者マイアミ・ヒートは、今夏の補強戦線で優勝経験のあるベテランを3人も加えた。
2019年にトロント・ラプターズの初優勝に大きく貢献したカイル・ラウリー、20年にロサンゼルス・レイカーズで優勝したマーキーフ・モリス、そして昨季途中にヒューストン・ロケッツからミルウォーキー・バックスへ移籍し、チャンピオンとなったPJ・タッカーである。
9月28日(現地時間27日、日付は以下同)のメディアデイで、ジミー・バトラーが「考えてみると、彼らは皆、ここ3年のプレーオフで俺を倒してきた相手だったんだよな。なんだか信じられないね」と話していたように、この3選手はプレーオフでバトラーが所属するチームを倒してNBAを制してきた。
ラウリーとはフィラデルフィア・セブンティシクサーズ在籍時の19年のカンファレンス・セミファイナル(3勝4敗で惜敗)、モリスとは20年のNBAファイナル(2勝4敗で敗退)、タッカーとは昨季プレーオフ1回戦で対決し、4連敗のスウィープ敗退を喫している。
タッカーは196センチ111キロという頑強な身体とフットワークを駆使した相手にへばりつくようなディフェンスが真骨頂。昨季プレーオフでもバトラーやケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)、クリス・ポール(フェニックス・サンズ)らを苦しめ、バックスの優勝に大きく貢献してきた。
29日にヒートの一員として初練習に臨んだタッカーは、今季からフロントコートでタッグを組むバム・アデバヨについてこう話していた。
「今日はバムと一番多く話をしたんだ。お互いに同じ目標へ向かって突き進めるようにね。彼はボールハンドリングができ、ボールプッシュもできるし、パサーを務めることだってできる。だから俺はこれまでよりも少し違う役割をこなすだろう。ヒューストンではコーナーにとどまっていたし、ミルウォーキーでもほとんどそうだった。でもここではたくさんカットしてプレーする機会がある」。
オフェンス面におけるタッカーは、ロケッツ時代からコーナースリーの名手と呼ばれ、バックスでもほぼ同様の役割を務めてきたのだが、プレーメイクも可能なアデバヨがいることで、ヒートではオフェンス面の役割にも期待しているという。
現在、リーグには昨季MVPに輝いたニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)を筆頭に、ジョエル・エンビード(シクサーズ)やニコラ・ブーチェビッチ(シカゴ・ブルズ)、カール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、ディアンドレ・エイトン(サンズ)といったセンターがいるのだが、タッカーはこう話す。
「バムみたいなヤツなんていない…。彼はクレイジーな男さ。ビッグマンもガード陣も守ることができるし、リムプロテクトもしてしまう。それにハンドリング、パスだってこなせるんだ。彼と同じことができるセンターを俺は知らない。ヨキッチか。いや、やっぱバムは別格だよ」。
今季のヒートはタッカー、アデバヨ、バトラーというスイッチディフェンダーたちに加え、筋骨隆々の肉体の持ち主でテイクチャージの名手でもあるラウリーが同じコートに立つだけに、相手チームからすれば厄介なチームとなるに違いない。
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