2022.04.26

ヒートの強固な守備網に苦しむホークスのヤング「こんなにガードされるのは高校以来だ」

ホークスを引っ張るヤング(右)[写真]=Getty Images
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 昨季に続いて2年連続のプレーオフ出場を飾ったアトランタ・ホークストレイ・ヤングだが、今年はマイアミ・ヒートが敷くタフなディフェンスの前に苦しんでいる。

 イースタン・カンファレンス第1シードのヒートと、プレーイン・トーナメントを勝ち上がって第8シードを手にしたホークスによるシリーズは、4戦を終えてヒートが3勝1敗と王手をかけており、27日にヒートのホームで第5戦が行なわれる。

 ヤングはここまでシリーズ平均16.5得点4.3リバウンド6.0アシストを残すも、フィールドゴール成功率は35.1パーセント(20/57)、3ポイント成功率でも21.2パーセント(7/33)と不発。ターンオーバーはアシストと同じ24本を犯してしまっている。

 ヒートはこの23歳のオールスターガードに対して、フルコートでプレッシャーをかけたり、ダブルチームで囲い込んだり、スイッチですぐさまカバーに入るなど徹底マークしており、第4戦後にヤングは「こんなに一貫してガードされることはなかったんだ。…高校以来だね」と漏らした。

 もっとも、この対応は裏を返せばヒートのコーチ陣や選手たちからヤングが選手としてリスペクトされている証とも受け取れる。ホークスの最重要人物であり、シリーズを制するためにはヤングという男を徹底的に苦しめてスローダウンさせることが一番の早道ということなのだろう。

 エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)が「このチームのロッカールームにはとてつもないほどの闘争心を持った選手たちがいて、彼らは挑戦が大好きなんだ」と語ったように、ヒートにはジミー・バトラーカイル・ラウリーPJ・タッカーといったベテランがおり、闘争心をむき出しにしてヤングを止めにきている。

 ヒートはヤングに対して、タッカーやゲイブ・ビンセント、ケイレブ・マーティン、ビクター・オラディポマックス・ストゥルース、ダンカン・ロビンソン、タイラー・ヒーローやラウリーを送り込んでおり、ヤングが2メンゲームでマークマンをはがしたとしても、バトラーやバム・アデバヨがスイッチして封じ込んでくる。

「彼はものすごく優秀なスコアラー。だからディフェンスで彼に仕事をさせないようにしている」というタッカーの言葉が、ヒートのゲームプランを端的に表現していると言えるだろう。

 はたして、ヤングはヒートが敷く強固な守備網をかいくぐって活躍することはできるのか。1勝3敗で追い詰められて迎える27日の第5戦の攻防にも注目だ。

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