2022.04.27

「1年前の今日、自分の中ではどん底にいるようだった」オラディポが自身初のPO1回戦突破

第5戦で23得点の活躍を見せたオラディポ[写真]=Getty Images
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 マイアミ・ヒートに所属するビクター・オラディポは、今季レギュラーシーズン最終戦となったオーランド・マジック戦で40得点10リバウンド7アシスト2スティールという好成績を残した。

 ところが、アトランタ・ホークスとのプレーオフ ファーストラウンドでは最初の3戦で出場機会を得ることができずにいた。だが4月25日(現地時間24日、日付は以下同)の第4戦で23分4秒プレーし、6得点8リバウンド4アシストを残して勝利に貢献。

「とにかく、準備はできていた」と振り返るも、事前に出場時間を手にすることができるか分かっていたか聞かれると「誰も、何も言ってこなかった」と明かした。だがその第4戦でプレーできたことで、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は「彼の忍耐強さには本当に感心している」と、オラディポの活躍を評価していた。

 そうして迎えた27日のシリーズ第5戦。ヒートはカイル・ラウリー(左ハムストリングの張り)に加えてジミー・バトラーも右ひざの炎症により欠場となり、オラディポを先発起用。

 36分9秒コートに立ったオラディポは、チームトップの23得点に3アシスト3スティールと大活躍。さらにバム・アデバヨが20得点11リバウンド4アシスト、タイラー・ヒーローが16得点4アシスト2スティール、マックス・ストゥルースが15得点5リバウンド2スティール、ケイレブ・マーティンが10得点4リバウンドを記録。ヒートは97-94でホークスに勝利し、4勝1敗でファーストラウンドを突破した。

 インディアナ・ペイサーズ在籍時にオールスターへ2度選ばれた29歳のガードは、昨季途中にトレードでヒートへ加入も、右ひざの大腿四頭筋腱の手術を行なうため、昨年4月上旬を最後に離脱していた。

「1年前の今日、僕は次の手術を待っていた。昨年の今頃のことは今でも覚えている。あの時僕は暗い部屋で座っていて、行き詰まっていたんだ。別に辞めようとはしていなかった。けど自分の中ではどん底にいるようだった。今日は神様が僕をこのポジションへとプッシュしてくれたから、自分の最大限の力を出し切ったんだ」。

 オラディポにとって、今年は2年ぶりのプレーオフであり、ファーストラウンドを突破したのは通算4度のプレーオフで初。「相手を止めることで終わる。ディフェンスがチャンピオンシップを勝ち取る秘訣なんだ」とアデバヨが話したとおり、ヒートはこの試合でもホークスを94得点に抑えて勝利。

「ジミーとカイルがベンチにいてくれたことがどれだけ大きなことか、多くのことは人々には見えていないだろうね。彼らはまるでコーチなんだ。ジミーは第4クォーターでものすごく助けてくれた。ボックススコアには出ていないけどね。僕の仕事はそれを伝えること。第4クォーターでものすごく助けられたんだ。彼には感謝している」。

 オラディポは第5戦で欠場したバトラーとラウリーへ感謝をし、シリーズ突破を喜んだ。カンファレンス・セミファイナルでヒートと相まみえるのは、フィラデルフィア・セブンティシクサーズとトロント・ラプターズによるシリーズの勝者となる。

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