2022.08.22
「僕は負けることが好きじゃない。特にこんな形だとね」
ルカ・ドンチッチ率いるダラス・マーベリックスは、5月27日(現地時間26日)のウェスタン・カンファレンス・ファイナル第5戦を110-120で落とし、1勝4敗でシリーズ敗退となり、2021-22シーズンを終えた。
この試合でマブスはドンチッチが28得点9リバウンド6アシスト、スペンサー・ディンウィディーが26得点4アシスト2ブロック、ドリアン・フィニー・スミスが13得点、ジェイレン・ブランソンが10得点4アシストを残すも、ウォリアーズから一度もリードを奪えず。
とはいえ、ドンチッチは自身3度目のプレーオフで平均31.7得点9.8リバウンド6.4アシスト1.8スティールという堂々たる成績で引っ張り、マブスはNBAチャンピオンとなった2011年以来初となるプレーオフ1回戦突破。そしてカンファレンス・セミファイナルを4勝3敗で制してカンファレンス・ファイナルまで勝ち上がった。
「僕らのシーズンについて話すなら、僕はこのチームが本当に誇らしい。このチームの皆だ。1人1人の選手とスタッフ全員のこと。僕たちがこの場にいるなんて誰も思ってはいなかった。でも僕らは最後まで戦い抜いた。おめでとう、ウォリアーズ。彼らは確かに(僕らよりも)いいチームだった。でも僕はこのチームを本当に誇りに思っている」。
ドンチッチがそう話したとおり、今季マブスはジェイソン・キッドHC(ヘッドコーチ)の下で見事プレーオフを勝ち上がり、ポストシーズンで一躍脚光を浴びた。
23歳のスーパースターは、昨年、一昨年と2年連続でロサンゼルス・クリッパーズに敗れてファーストラウンド敗退を喫していたものの、3年連続でプレーオフ平均30.0得点超え。敵将スティーブ・カーHCが「ガードするのは不可能」と評したように、NBA史上でもプレーオフ最初の3年間でいずれも平均30得点以上を残したのはこのドンチッチと伝説の巨人ウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)しかおらず、リーグ最高級のオフェンス力の持ち主と言えよう。
3年連続でオールスターとオールNBAファーストチームに選ばれたドンチッチは、すでにリーグでも指折りの実力者ではあるのだが、今プレーオフでディフェンス時に相手チームのターゲットにされてきたこともあり、ディフェンスの向上を自らに課した。
「僕はディフェンスをもっともっと向上させないといけない。正直、今シーズンの僕はディフェンスで大きな一歩を踏み出せたとは思う。でもまだまだ向上の余地があるんだ。それがこのチームを次のレベルへと引き上げる要素になると思う」。
ドンチッチはプレーオフ通算28試合で平均32.5得点をマーク。これはマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が保持する平均33.5得点に次ぐNBA歴代2位という驚異的な成績である。
だがディフェンスで悔しい思いをしたことから、ドンチッチは来シーズンに向けて課題を明確にしており、今夏に時間を費やしてディフェンス力アップに取り組むことを公言。来季この男が攻防両面に秀でた2ウェイプレーヤーに変貌を遂げることができるかを楽しみに待ちたいところだ。
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