2022.07.13
ボストン・セルティックスとゴールデンステイト・ウォリアーズによる今季のNBAファイナルは、第4戦を終えて両チーム譲らず2勝2敗のタイ。6月14日(現地時間13日、日付は以下同)に行なわれるシリーズ第5戦で勝利したチームが、NBAチャンピオンに王手をかけることとなる。
今からちょうど3年前、2019年の6月14日は、ウォリアーズがトロント・ラプターズとの頂上決戦に2勝4敗で敗れた日。そしてウォリアーズのクレイ・トンプソンにとっては、左ひざの前十字靭帯(ACL)を断裂した日でもあった。
「もうそんなに経つんだ。3年前か。それは…すごいな。時間が経過するのは早いね」。
トンプソンは13日のチーム練習日にそう振り返った。その試合で32歳の元オールスターガードはフィールドゴール成功率66.7パーセント(8/12)、3ポイント成功率66.7パーセント(4/6)、フリースロー成功率100.0パーセント(10/10)と絶好調だったものの、第3クォーター残り2分22秒で左ひざを負傷。
ロッカールームへ向かっていったものの、トンプソンはコートへ戻り、ファウルで得た2本のフリースローを当然のごとく決め切ってゲームハイの30得点に乗せてコートをあとにした。
「あの時考えていたのは、あの得点を手放したくなかったのさ。NBAファイナルなんだ。30得点奪ってやろうとしたのさ」とトンプソンは切り出し、当時をこのように振り返っていた。
「これまであんな重度のケガをしたことがなかった。だから(当初は)深刻なものだとは思っていなかったんだ。ひざのどこかを捻ったのかも、と思っていた。でもね。チャンピオンシップを争う場にいて、ファンの目の前でプレーしていると、たとえどんなことがあってもアドレナリンが大量に出るものなんだ。でもACLを断裂した状態で走り回ったことは、決していいことではなかったね」。
その後トンプソンは左ひざのACL断裂のため19-20シーズンを全休、20年11月には右足のアキレス腱を断裂してしまい、20-21シーズンも全休。今年1月10日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で復帰するまで、941日も費やした。
14日の第5戦をホームで制することができれば、ウォリアーズは18年以来4年ぶりの王座奪還となるだけに、19年に逃したチャンピオンシップを是が非でも獲得したいのは当然のことだろう。
「自分がコートに足を踏み入れた時、どんな手段を使ってでも勝ちたいと思った。どれだけ酷い、あるいはすごいかは関係ない。勝ってホームコートを守るんだ。僕は勝利したいだけなんだ」とトンプソンは語っていた。
NBAは新陳代謝が激しい世界。19年のファイナル第6戦でコートに立っていたラプターズの選手で、今もこのチームに在籍しているのはパスカル・シアカムとフレッド・バンブリートの2人のみ(OG・アヌノビーはケガのためプレーオフ全休)。
そう考えると、ウォリアーズはトンプソンだけでなく、ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーン、アンドレ・イグダーラ、ケボン・ルーニーと、5選手も主力として残っているだけに感慨深い。そしてこのチームが今季のファイナルを制することとなれば、その喜びは計り知れないものとなるに違いない。
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