2024.01.24
今年の「NBAプレーオフ2023」のイースタン・カンファレンス・セミファイナル2カードのうち、ニューヨーク・ニックスとマイアミ・ヒートによるシリーズは、5月13日(現地時間12日、日付は以下同)に行われた第6戦でヒートが96-92で制し、4勝2敗でシリーズを突破した。
両チームによるシリーズは第3戦こそヒートが19点差で快勝したものの、そのほかの5試合はいずれも1ケタ点差で決着がついており、ニックスの粘りも見事だった。
「まさに戦いだった。トム・シボドーがコーチするチームというのは、いつだってハードにプレーするんだ…。このシリーズは身を削るものだった。そして俺たちはなんとか切り抜けたんだ」
シリーズ終了後にそう話していたのはヒートのカイル・ラウリー。キャリア17年目のベテランガードはシリーズ平均12.2得点3.7リバウンド5.7アシスト1.3スティール1.3ブロックを記録し、要所で貴重なリバウンドやスティールを決めるなど勝利に貢献したのだが、シボドーHC(ヘッドコーチ)が指揮を執るチームを称賛。
ニックスはシボドーHCの下、ジェイレン・ブランソンやジュリアス・ランドル、RJ・バレット、クエンティン・グライムズ、ジョシュ・ハート、ミッチェル・ロビンソンといった選手たちが奮戦も、カンファレンス・セミファイナルで姿を消した。
するとシボドーHCは、1997年から2000年にかけて4年連続でプレーオフのシリーズを競い合ってきたヒートへ賛辞を送っていた。
「ヒートという組織、コーチングスタッフ、スポとパット・ライリー(球団社長)、それに選手たち全員へおめでとうと言いたいね。彼らはこのシリーズでタフにプレーしていた。ただ、私はこのチームの選手たちのことを誇りに思う。この1年間、このチームがやってきたことが誇らしい」
シボドーHCが“スポ”と評したのはエリック・スポールストラHCのこと。ヒートはこの指揮官の下、ジミー・バトラー、バム・アデバヨという攻防両面の要を擁し、ラウリーやゲイブ・ビンセント、マックス・ストゥルース、ケイレブ・マーティン、ケビン・ラブ、ダンカン・ロビンソンといった選手たちが一丸となって戦い抜いた。
今シーズンのヒートはイースト7位の44勝38敗でレギュラーシーズンを終えるも、第7シードをかけたアトランタ・ホークスとのプレーイン・ゲームを落とし、シカゴ・ブルズとの一発勝負を制して第8シードを獲得。
するとプレーオフではファーストラウンドで第1シードのミルウォーキー・バックスを4勝1敗で撃破し、第5シードのニックスも倒したことで、昨年に続いて2年連続、ここ4年間で3度目のカンファレンス・ファイナル進出を決めた。
「イースタン・カンファレンス・ファイナルまでたどり着くのは本当にとんでもないほど難しいことなんだ」とスポールストラHCは語ったものの、ヒートは通算10度目、直近13年間で7度目と、プレーオフで見事な戦いを続けていると言っていいだろう。
第8シードが第1シードを下すというNBA史上6度目のアップセットを果たした今年のヒートは、カンファレンス・セミファイナルも突破したことで、1999年のニックス以来初となる、第8シードによるカンファレンス・ファイナル進出。
ニックスとのシリーズで平均24.6得点7.2リバウンド6.0アシスト1.6スティール1.2ブロックを残したバトラーは、シリーズ終了後に自信をのぞかせていた。
「俺たちは(優勝という)ゴールまでまた一歩前進しているということ。自分たちにはどんなことができるかはすでに分かっていた。(チャンピオンシップを勝ち取るまで)あと8勝だ。俺は今日もハードに戦い抜いたこのチームのみんなのことが誇らしい」
ヒートはバトラー、アデバヨに次ぐ第3の得点源タイラー・ヒーロー、ベテランガードのビクター・オラディポをケガで欠いているものの、チーム全員がそれぞれの役割をこなし、一丸となって勝ち上がってきた。
「俺たちのチームの誰かをダブル(チーム)してきても、(俺たちは)ボールを動かしていく。ものすごくうまくシュートを打てる、あるいはアタックしたりリムでフィニッシュできる選手たちが集まっているんだ。次の相手がどこであろうと、俺たちは楽しみにしている」とバトラーは言う。
3年ぶりのNBAファイナル進出、2013年以来、球団史上4度目の王座獲得を狙うヒートがカンファレンス・ファイナルで対戦するのは、ボストン・セルティックスとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによる勝者。
3勝3敗で並んでいる両チームは、15日にセルティックスのホーム、TDガーデンで最終第7戦に臨む。どちらがヒートと対戦することになるのか、そして今年のイースト決勝を制するのはどのチームになるのかを楽しみに待ちたいところだ。
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