2023.06.01
5月23日(現地時間22日、日付は以下同)に行われた「NBAプレーオフ2023」のウェスタン・カンファレンス・ファイナル第4戦。デンバー・ナゲッツはロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズに前半だけで31得点を許すなど、15点ビハインド(58-73)を喫していた。
だがナゲッツは第3クォーターにニコラ・ヨキッチのショットで先制すると、そこからジャマール・マレー、マイケル・ポーターJr.、アーロン・ゴードンと先発陣が次々にショットを沈めていき、残り4分39秒にヨキッチのアシストからケンテイビアス・コールドウェル・ポープの3ポイントプレーが決まって83-81と逆転に成功。
その立役者となったのがヨキッチだった。ジャンパーやフリースローを沈めただけでなく、ディフェンシブ・リバウンドから素早くボールプッシュしてペースを上げ、自ら得点あるいはチームメートたちへプレーメークした男は、前半終了時点で3ファウルを喫するなか、この12分間だけで13得点10リバウンド3アシスト1ブロックと圧巻のパフォーマンスでナゲッツをけん引。
その後レイカーズはアンソニー・デイビスとディアンジェロ・ラッセルのショットで4度も同点に追いつくも、ナゲッツはポーターJr.の長距離砲やブルース・ブラウンのレイアップ、マレーのフリースロー、ヨキッチのショットで逆転を許さず、最終スコア113-111で競り勝ち、4戦負けなしのスウィープでシリーズを制した。
ヨキッチはショットクロックが迫るなか、デイビスとレブロン越しに難しいワンレッグジャンパーを見事にスプラッシュさせるなど絶大な貢献を見せ、この試合全体で30得点14リバウンド13アシストに1スティール3ブロック。
今年のプレーオフ15試合で8度目のトリプルダブルを達成したヨキッチは、プレーオフ単年で1967年のウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか/7度)を抜いてNBA史上トップに浮上。
そして9名の投票者全員から得票されたことで、セルビア出身の万能型ビッグマンはレイカーズのレジェンド、アービン“マジック”ジョンソンの名が冠されたウェスタン・カンファレンス・ファイナルMVPに満場一致で選出。シリーズ平均得点こそマレー(32.5得点)がトップだったものの、ヨキッチはシリーズ平均トリプルダブル(27.8得点14.5リバウンド11.8アシスト)に1.3スティール1.3ブロックと、驚異的な活躍を見せていた。
ナゲッツが誇る大黒柱の申し分ないパフォーマンスに、マイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は「これまでにこんなスタッツを見たことがあるか? 私は真剣だ。もう馬鹿げた言動の数々は十分だ。この男は偉大な選手であり、最高のリスペクトをするべきだ。素晴らしい選手であり、十分なリスペクトを受け取るべきなんだ」と称えていた。
カンファレンス・ファイナルMVPを獲得したことにはどれほどの意味をもつか聞かれて、ヨキッチは「何も」と切り返していたのだが、第4戦の勝利は格別だったようだ。
「この試合に勝てたことで、みんながすごくハッピーだと思う。本当に、すごいチームを倒したんだ。どの試合も、特に第1戦は接戦だった。僕らはなんとか試合に勝つ方法を見つけ出したんだ。それにこの試合は15点差で負けていた。そこから巻き返して勝ったんだから。きっと幸せだったと思う」
1976-77シーズンのNBA参入から47シーズン目となった今シーズンにフランチャイズ史上初のNBAファイナル進出を決めたナゲッツは、6月2日から幕を開けるNBAファイナルで、球団史上初優勝を目指して戦っていくこととなる。
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