2023.12.21

「ステフについて驚くことはない」…カリーの決勝弾にカーHCが示した反応とは?

試合終盤の重要な場面で見事に加点したカリー[写真]=Getty Images
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■最大17点差を挽回、延長終盤にカリーの一発で仕留める

 12月20日(現地時間19日、日付は以下同)にチェイス・センターで開催されたボストン・セルティックスとゴールデンステイト・ウォリアーズによる「NBAファイナル2022」のリマッチは、一時アウェーのセルティックスが17点をリードし、第3クォーターを終えて97-86と11点をリードしていた。

 ホームのウォリアーズはドレイモンド・グリーンが無期限の出場停止処分で不在だったことに加え、ここ4戦連続で先発入りしていた新人ブランディン・ポジェムスキーが腰の張りのため後半プレーできず、第3クォーター残り6分7秒にはステフィン・カリーが5ファウルとなってベンチへ下がるという窮地に陥っていた。

「多くの選手たちがステップアップし、この試合をモノにする助けになってくれた。この1勝は我々が必要としていたものだという気がしている。舵を取り直す助けとなる試合になるかもしれない。これで落ち着いて、勢いをつけることができればいいね」

 スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が試合後にそう振り返ったとおり、ウォリアーズはホームに駆けつけた大観衆の声援を味方につけて最終クォーターに猛追。第4クォーター残り2分18秒で3点を追う場面ではクレイ・トンプソン、同1分36秒にはカリーが3ポイントシュートを放り込んで延長へ持ち込む。

 延長では若手のジョナサン・クミンガ、新人トレイス・ジャクソン・デイビスのダンクで主導権を握り、残り1分を切ってからカリーが怒濤の7得点。特に1点リードで迎えた場面では2人のディフェンダーを振り切ってレイアップを放つもリングに当たらず、ルーズボール争いとなり、ジャクソン・デイビスが絡んでクリス・ポールの手に渡ると、右ウイングにいたカリーへパス。

延長終盤に決勝弾をお見舞いしたカリー[写真]=Getty Images

 ショットクロックが迫るなか、シュートモーションに入った状態でボールを受けたカリーは超速リリースで3ポイントを放ち、これが見事にリングへ吸い込まれて4点リードとなり、最終スコア132-126でウォリアーズが制した。

 この劇的な3ポイントシュートを放り込んだカリーは両手を重ねて右頬に添える“Night Night”セレブレーションで勝利を確信。18日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦で3ポイントシュート成功0本に終わった男は、セルティックス相手に11投中6本(成功率54.5パーセント)を決め切り、ゲームハイの33得点に3リバウンド6アシストをマーク。

 第4クォーターを迎えた時点で13得点、しかも5ファウルだったカリーを信頼してコートに送り続けたカーHCはこう話す。

「ステフについて驚くことはない。あのショットは正気とは思えなかった。だが私はあれが入るんだと予想していた。我々のファンも同じだったと思う。あの男は魔法のようなものでね。私には説明できないんだ。ああいったことをやってしまうのさ」

 そして見事ウォリアーズを逆転勝利へ導いたカリーは、チームメートたちの働きを称えていた。

「大きな勝利。フロアにいたみんなが貢献していた。トレイスが試合へインパクトを与え、JK(クミンガの愛称)が攻防両面で相手にプレッシャーをかけていたし、クレイが重要なショットを決めた」

 ウォリアーズではカリーのほか、トンプソンが24得点4リバウンド4アシスト、クミンガが17得点7リバウンド2アシスト2スティール、ダリオ・シャリッチが11得点6リバウンド、ジャクソン・デイビスが10得点13リバウンド3ブロック、モーゼス・ムーディーが10得点、ポールが9得点7リバウンド12アシストに0ターンオーバーを記録している。

 指揮官が口にしたように、この勝利がチームを勢いづける起爆剤となる可能性は十分あるだろう。13勝14敗でウェスタン・カンファレンス11位のウォリアーズは、23日にワシントン・ウィザーズ、翌24日にブレイザーズとのホーム2連戦が組まれている。

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