2024.01.24

“超大型新人”ウェンバンヤマがNBAの厳しさを語る「全試合が地獄のような戦い」

スパーズでルーキーイヤーを過ごすビクター・ウェンバンヤマ [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)は、新人らしからぬ冷静さで着々と進化を遂げている。直近5試合は1試合平均27.2得点11.0リバウンド2.0アシスト3.2ブロックをマーク。注目度もデビュー当時から衰えることなく、インタビュールームには日々多くのメディアが押し寄せている。
 
 一方で、チームとしては望むような結果を残せていない。5度のリーグ優勝を誇るスパーズは1月24日(現地時間23日)時点で8勝35敗と大きく負け越し。勝率はわずか18.6パーセントにとどまっている。

 規格外のルーキーは『Sports Illustrated』のインタビューに対して、現状を「非常に挑戦的」と語っており、NBAの厳しさを実感しているようだ。

「敗北そのものではありません。僕たちが考えていることであり、個人的にもNBA入りする前から考えていたことかもしれませんが、すべての試合が重要なのです。15試合以上連敗していても、コートでは誰も頭を下げておらず、誰も諦めていません。これは狂気じみています。毎晩、全試合が地獄のような戦いであり、本当に激しいものです。このリーグに来る前は、一部のフランチャイズはもっとリラックスしたり、結果に執着せずに試合に望んでいると思っていましたが、大間違いでした」

 LNB(フランスのプロリーグ)で優勝を成し遂げ、母国ではシーズンMVPにも輝いたウェンバンヤマにとって、NBAの船出は非常に厳しいものだろう。しかし、時間は瞬く間に流れていき、レギュラーシーズンの折り返しに近づいていることを知った彼は「もう半分ですか?」と驚きを隠せなかった。

 ウェンバンヤマにも、そして名将グレッグ・ポポビッチヘッドコーチにも、勝者のメンタリティが備わっている。スパーズの背番号「1」は、球団が成功するための計画に信頼を置いている様子だ。

「簡単ではないと理解しています。タイトルを狙えるようになるためには、時間が必要でしょう。僕は何に対しても準備ができていて、どんな犠牲もいとわない覚悟があります。僕は我慢強い。でも、時間を無駄にすることはありません。耐え忍びながらも、時間を浪費したくありません。僕らは長期的な計画を信頼しており、常に準備ができています」

 数々の名プレーヤーを指導してきたポポビッチHCにも「彼は才能がある」と言わしめた。スパーズに次なるリングをもたらすのは、224センチのビッグマンになるだろう。

文=Meiji

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