2024.01.22
「今の彼は本当に優れたパサーだ。このチームへやって来る前からいいパサーだったがね」
サンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)は、1月11日(現地時間10日、日付は以下同)のデトロイト・ピストンズ戦に130-108で快勝後にそう語った。
就任28シーズン目の名将が口にした“彼”とはもちろん、新人ビクター・ウェンバンヤマだ。今月4日に20歳を迎えたばかりの224センチ94キロのビッグマンは、この試合でフィールドゴール成功率こそ37.5パーセント(6/16)と苦戦も、16得点12リバウンドに自己最多の10アシストでキャリア初のトリプルダブルを達成。
今シーズン、32試合の出場で平均28.9分19.2得点10.2リバウンド3.1アシスト1.2スティールにリーグベストの3.2ブロックを残す大物ルーキーは、トリプルダブルで数々の記録を樹立。フランチャイズ史上最年少(20歳と6日)、センターとしてNBA史上最年少となった。
ターンオーバーが0だったことで、1977-78シーズンの統計開始以降、2005年にアンドレ・イグダーラ(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)が21歳と54日で樹立した“ターンオーバーゼロのトリプルダブル”の史上最年少記録を塗り替えた。
さらに、この日ウェンバンヤマはわずか21分2秒のプレータイムでトリプルダブルに到達。2014年に20分17秒で達成したラッセル・ウェストブルック(現ロサンゼルス・クリッパーズ)に次いで、24秒のショットクロックが導入された1954-55シーズン以降、NBA史上2番目の短時間でやってのけたのである。
もっとも、ウェンバンヤマが試合後に「もちろん、勝利した試合でできたことがすべて。NBA史上2番目の速さなのは知らなかった。僕には関係ないね。何でもないことのために話すタイプじゃないんだ」と話したとおり、スパーズはこの試合で連敗を5でストップすることに成功し、2024年を迎えて初勝利を飾ったことがうれしかったに違いない。
ちなみに、ウェンバンヤマはすでに3試合で6ブロック以上、昨年11月19日のメンフィス・グリズリーズ戦では8ブロックを残している。もしこの男が40分前後プレーし、ひたすら勝利のために戦い続けることになれば、1994年に“スパーズの先輩”デイビッド・ロビンソンが達成して以来、NBA史上5人目となるクァドラプルダブル(4部門で2ケタ)をマークすることができるのではないだろうか。
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