2024.07.10

サマーリーグで上々のデビューを果たした新人3選手…223センチ巨人、MVP候補、オールラウンダー

ザック・イディー、カリル・ウェア、ブギー・エリス(左から) [写真]=Getty Images

「第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)」を横目に、NBAは「カリフォルニア・クラシック・サマーリーグ」が開幕。若手を中心にロスターの定着を狙うプレーヤーたちは、自身の真価をアピールしようとコートでアグレッシブなプレーを披露している。

 本シリーズで注目を浴びるのはいつだってルーキーたちである。大学や海外リーグを経て、世界トップの舞台でその実力が通用するのかと、関係者やファンたちは熱視線を送る。

 様々な事情でコートに立てていないルーキーもいるが、一方ですでに指名順位や下馬評を上回る活躍を披露している選手も少なくない。以下では直近の数試合で光るものを見せた2024年のルーキーをピックアップしてみたい。

ザック・イディー(メンフィス・グリズリーズ)

[写真]=Getty Images

ポジション:センター
出身校:パデュー大学

 河村勇輝のエグジビット10契約合意で話題となったグリズリーズが新たに迎えたセンターは、初戦からペイントエリアで圧倒的な存在感を放った。ドラフト全体9位指名を受けた223センチの巨人は、スターターとして34分間の出場時間を与えられ、14得点15リバウンド4ブロックにフィールドゴール成功率58.3パーセントをマーク。2年連続で大学年間最優秀選手賞とセンター最優秀選手賞のダブル受賞を達成した実力は、NBAの舞台でも遺憾なく発揮された。

 試合後、イディーは「最高でした。慣れることに集中し、システムやチームメートとどうプレーするかを学ぶことに注力しました。まずはシステムとグリズリーズのプレーを学ぶこと。サマーリーグの目標は慣れることだけだと思います」と話し、自身のデビューに手応えを感じているようだ。旧式スタイルのセンターだが、かつて同球団で活躍したスティーブン・アダムズ(ヒューストン・ロケッツ)のように、ジャ・モラントと驚異的なピック&ロールが繰り広げられる未来は容易に想像できる。

カリル・ウェア(マイアミ・ヒート)

[写真]=Getty Images

ポジション:センター
出身校:インディアナ大学

 ウェアは現時点におけるサマーリーグMVP候補の1人だろう。高校時代から5つ星の評価を受け、名だたる学生キャンプにも名を連ねた213センチのセンターは、デビュー戦となったゴールデンステイト・ウォリアーズ戦で早速12得点6リバウンド5ブロックをマーク。3ポイントシュート成功率こそ振るわなかったものの、続くサクラメント・キングス戦では26得点11リバウンド3アシスト1ブロックにフィールドゴール成功率57.1パーセントを記録し、試合連続で2ケタ得点を達成した。

 献身的なスクリーンプレーとペイントへの介入はジャレット・アレン(クリーブランド・キャバリアーズ)と比較されることもしばしばだが、巧みなフットワークとソフトなショットからは現代的なスタイルを感じることだろう。長らく待望されたバム・アデバヨのパートナー。ヒートカルチャーに馴染むことができれば、ハイメ・ハケスJr.らとともに次世代のヒートのコアに成長するに違いない。

ブギー・エリス(サクラメント・キングス)

[写真]=Getty Images(写真はドラフトコンバインでのもの)

ポジション:ガード
出身校:南カリフォルニア大学

 ブロニー・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)と南カリフォルニア大でチームメートだったエリスは、学生時代からポテンシャルを感じさせるプレーヤーの1人だった。大学ラストイヤーは40パーセント以上の3ポイント成功率を収め、5月に開催されたGリーグ・エリートキャンプでも25本中22本の3ポイントを沈めた。世代トップクラスのシュート力が取り立てられるが、巧みなハンドリングから繰り出されるペネトレーションからのゲームメイキングや、オンボールディフェンダーとしての勘の良さにも定評があり、オールラウンドなスキルセットを兼ね備える。

 そんな2023年の南カリフォルニア大得点王のサマーリーグデビューは、ベンチから16分間の出場で8得点5リバウンド3アシスト、3ポイント成功率50.0パーセントとなった。しかし、続く2戦目は同じくベンチからの出場となったものの、6本中3本の3ポイント成功を含むゲームハイの17得点を叩き出した。多彩なオフェンスはデボンテ・グラハム(シャーロット・ホーネッツ)と比較されることもあり、マリーク・モンクと同じく初年度からでもベンチからインパクトを残せるかもしれない。

文=Meiji

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