2025.10.09

米メディアの“トレード交渉”報道にヤニスが反応「僕はここにいる。余計なことは気にしない」

ヤニスが現在の心境を語った[写真]=Getty Images
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■『ESPN』はヤニスが興味を示した唯一のチームはニックスと報道

 ミルウォーキー・バックスのフランチャイズプレーヤー、ヤニス・アデトクンボは、2020-21シーズンにこのチームをNBAチャンピオンへ導き、ファイナルMVPを獲得したスーパースター。

 これまでのNBAキャリア12シーズンで2度のシーズンMVPに最優秀守備選手賞(DPOY)、最優秀躍進選手賞(MIP)へ選ばれたほか、オールスターとオールNBAチームにそれぞれ9度、オールディフェンシブチームにも5度選出され、75周年記念チームにも名を連ねた。

 2025-26シーズンで球団史上最長の在籍13年目を迎える30歳のフォワードは、レギュラーシーズン通算得点や出場試合数、出場時間、リバウンド、アシスト、ブロックショットなど数多くの部門で球団最多記録を保持している。

2021年にバックスを優勝へ導いたアデトクンボ[写真]=Getty Images

 その一方で、チームは9年連続でプレーオフへ駒を進めているものの、3年連続でファーストラウンド敗退。今オフにバックスはデイミアン・リラード(現ポートランド・トレイルブレイザーズ)、ブルック・ロペス(現ロサンゼルス・クリッパーズ)らが退団し、新たにマイルズ・ターナーコール・アンソニーギャリー・ハリスらを加えた。

 ただ、10月23日(現地時間22日、日付は以下同)のレギュラーシーズン開幕戦(対ワシントン・ウィザーズ)まで約2週間に迫る中、アデトクンボはオフシーズン期間中、バックスがタイトル候補としてこれからも存続できるのか、その可能性について懸念を示し、彼自身とバックスの双方にとって代替になる道があるかどうかを模索したいと考えていたと8日に『ESPN』が報道。

 また、同メディアは、エージェントの1人がクライアントに対する大きな関心を受け、もし彼がバックスからトレードされる場合、ベストな移籍先についての調査を行ったとし、その中でアデトクンボがプレーに興味を示した唯一のチームはニューヨーク・ニックスだったと報じていた。

 ニックスは、昨シーズンのプレーオフでカンファレンス・ファイナルまで進出した強豪。ジェイレン・ブランソンカール・アンソニー・タウンズを中心とした布陣で、今シーズンの優勝候補の一角に挙がるチームでもある。

 すでにプレシーズンゲームが始まっていて、NBAの全30チームは新シーズンに向けてロスターを固めてケミストリーを構築している段階。そのため、この時期にチームの根幹を揺るがす、さらにはリーグの勢力図さえも変える可能性のある動きが今も水面下で進んでいるのであれば、大きな影響を与えたとしてもおかしくはない。

 そうした中、アデトクンボが9日にメディアの前で口を開いた。

「僕は今まで何度も言ってきた。勝てる状況にいたいんだとね。僕はこのチームのこと、チームメートたちを信じている。このチームをどこまででも引っ張るためにここにいる。間違いなく難しいことになるだろう。僕らは1日1日を大切にして進んでいくけど、僕はここにいるんだ。だから余計なことは気にしない」

 アデトクンボの現行契約は2026-27シーズンまでで、翌2027-28シーズンがプレーヤーオプション。現在3シーズン連続で平均30.0得点以上を奪い、7シーズン連続でオールNBAファーストチーム入りしている実力者だけに、この男がもし移籍となれば、バックスは1からチームを作り直すこととなる。

「僕はチームメートたちやリスペクトしていて大好きな人たちと話し合ってきた。このコートや施設に足を踏み入れる瞬間、このジャージーを着用する以上、他のことは関係ないんだ。目の前のことに集中している」

 アデトクンボは自身の現状をそう口にしつつ、「もし6カ月、7カ月後に考えが変わったとしても、それはそれで人間らしいことだと思う」とも話していた。

 今から6、7カ月後となると、レギュラーシーズン終了後、またはプレーオフの真っ只中になる。この発言はバックスで今シーズンを戦い抜く一方で、移籍する可能性がゼロではないとも受け取れるだけに、チームが黒星先行でシーズンが進んだ場合、アデトクンボに関するトレードの噂はさらに激化するかもしれない。

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