2021.09.19

【B1クラブ展望/宇都宮】昨季の悔しさを晴らすには、“インサイドの再建”が最重要課題

昨シーズンはあと一歩のところで優勝を逃した宇都宮[写真]=B.LEAGUE
フリーライター

 49勝11敗でB1東地区優勝。天皇杯、チャンピオンシップはともに準優勝。2020-21シーズンに残した宇都宮ブレックスの成績である。

 優勝にはあと一歩で届かなかった。しかし昨シーズンのレギュラーシーズンは、B1の中で10番目となる1試合平均81.3得点ながらも、平均70.8失点というすきのない守備を毎試合のように披露。B1トップの勝率を収めて挑んだチャンピオンシップでもファンの後押しを背に勝ち進み、Bリーグ初年度以来のファイナルまで進出した。

 今シーズンを迎えるにあたり、宇都宮は日本人全選手に加えて在籍2シーズン目となるジョシュ・スコットが残留。新たにアイザック・フォトゥチェイス・フィーラーのインサイドプレーヤーと、アジア特別枠で合意したスモールフォワードのブランドン・ジャワトが加入した。

 一方で、LJ・ピークライアン・ロシタージェフ・ギブスが退団。なかでもリーグ全体に衝撃を与えたのが、ロシターのアルバルク東京移籍のニュースだろう。2013年に入団して以降、チームの大黒柱と言われるまでに成長し、現在は帰化選手にもなったロシターが抜けたことでインサイドは再建必須だ。

 当然、ギブスが抜けた影響も大きく、遠藤祐亮は「昨シーズンまではライアンやジェフがボール運びしてくれることがありましたけど、今シーズンはよりガードが運んでいく展開になると思います」と語る。併せて「トランジションがすごく重要になってくる」とも話しており、今シーズンはガード陣のローテーション頻度が高く、テーブス海のスピードやスコットの走力を生かしたオフェンスパターンも増えるかもしれない。

■KEY PLAYER/PF #10 竹内公輔

[写真]=B.LEAGUE


 再び日本一を目指すうえで注目したいのは、竹内公輔の存在だ。インサイド陣では最も在籍年数が長い6シーズン目を迎える36歳は、コートに立てばオフェンスリバウンドやスクリナー、ブロックショットなどで献身的にチームを支える。

 ただ、竹内の貢献度はそれだけではない。「ジョシュもそうですけど、新しく来た外国籍選手にも練習からいろいろとコミュニケーションをとってくれてます。一つひとつ僕ら(コーチ陣)が細かく言わなくても、コート上で解決してくれるので、練習の進み具合もかなり早いです」。安齋竜三ヘッドコーチは、そう言って日々の竹内について明かす。

 もしかすると、試合では竹内よりも新加入選手のほうがゴール下に長い時間立つかもしれない。だが、その選手たちが一日でも早く伸び伸びとプレーし、周りとの連携を深めるためには、日々の竹内の働きが少なからず影響しそうだ。

「試合に出なくても、チームにいる意味が大きい選手はウチにはいっぱいいる」と、安齋HCは選手たちを信じている。メンバーは変われど、宇都宮ブレックスは今季シーズンもBREX NATION一丸でシーズンを戦い抜く。

文=小沼克年

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