2023.06.12
Bリーグ開幕6年目にして初のB1に挑む茨城ロボッツ。悲願の昇格を達成できた最たる要因となったのは、就任1年目のリチャード・グレスマンヘッドコーチが得意とするアップテンポで攻撃的なバスケットに取り組んだことが挙げられる。
得点力のある平尾充庸をポイントガードに据え、スモールフォワードでもプレーできるチェハーレス・タプスコット、そしてB1経験者でもあるマーク・トラソリーニが攻撃の中心となり、昨シーズンの平均得点は2019-20シーズンの78.7得点から88.8得点と飛躍的に伸びた。
引き続きグレスマンHCが指揮を執り、そのスタイルは今シーズンも継続路線だ。精神的支柱であった眞庭城聖がチームを去ったのは残念だが、経験豊富でキャプテンシーも兼ね備えた多嶋朝飛を筆頭に、西川貴之や谷口大智など各ポジションに選手を補強。フィリピン代表にも選出されたハビエルゴメス・デ・リアノもアジア特別枠で獲得したほか、新潟アルビレックスBBでHCを務めた福⽥将吾⽒がアシスタントコーチに就任した点もテコ入れに成功したと言える。
「一つひとつの状況判断」。B2準優勝で終えた昨シーズンのプレーオフ後、キャプテンの平尾はB1での戦いへ向けての課題をそう述べた。「相手がハードに守ってきた時にノーマークを見つける技術やそこにパスを入れる技術であったり、受け手もノーマークになる技術。そこが自分たちがこれから求めていかなければならない部分なのかなと思いました」。
平尾自身だけでなく、チームとしても初めて踏み入れる領域。当然、“B1の強度”には慣れておらず、それに屈していては望む結果が得られない。そうならないために、まず重要な働きをしなければいけないのが移籍組だろう。B1での場数を踏んでいる彼らが惜しみなく経験を伝え、試合では身を粉にして流れを引き寄せる。そうして日を追うごとにチームが成長を遂げ、強豪チームの堅守を自慢の攻撃力で打ち破ってほしい。
本人は「まだまだB1で通用するような実力ではない」と感じているようだが、「オフシーズンの過ごし方もしっかりと突き詰めて、もっと練習して成長していかないといけない」と述べて昨シーズンを終えた。今シーズンはチーム内でも同じポジションにライバルが多い。しかし、茨城がB1、ましては強豪ひしめく東地区で生き残るには、福澤の3ポイントが必要だ。
文=小沼克年
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