2021.09.24

【B1クラブ展望/島根】大型補強で高まったハードル…結束力と自信を深め初のCSへ

今夏、金丸や安藤といった日本代表クラスの選手を獲得した島根[写真]=B.LEAGUE

 島根スサノオマジックにとって、昨シーズンは飛躍のシーズンとなった。開幕から10試合でヘッドコーチが交代し、その後黒星が重なりながらも河合竜児ヘッドコーチが徐々に立て直し、最後の10試合は8連勝を含む9勝1敗と右肩上がりで閉幕。B1復帰2シーズン目で28勝という数字は申し分なく、今シーズンは勝率5割超えが最低限の目標となる。もちろん、勝率5割を上回ればチャンピオンシップ進出にも手が届くはずだ。

 今シーズンは河合HCが元のアソシエイトコーチの肩書に戻り、ニュージーランド代表HCも兼ねるポール・ヘナレHCが就任。さらには選手もブースターを驚かせるビッグネームの獲得に成功した。

 ニック・ケイは今夏の東京オリンピックでオーストラリア代表のスターターを務めた選手で、安藤誓哉アルバルク東京の正司令塔としてリーグ連覇に貢献。そして、Bリーグの過去5シーズンすべてでベスト5に選出され、昨シーズンはついにレギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)も受賞した金丸晃輔。今オフの選手獲得競争で、島根はリーグで1、2を争うレベルの大きなインパクトを残した。

 今シーズンのスターターにもその3人が名を連ねるのは確実で、残る2つのポジションには阿部諒リード・トラビスが入るとみられる。安藤の加入で山下泰弘北川弘が控えに回ることは、選手層が厚くなった証。また、ペリン・ビュフォードも残留したため、ウィリアムスニカとの同時起用でサイズアップした組み合わせも継続できる。

 ただ、大型補強に成功したことで、他クラブからのマークは当然厳しくなるに違いない。その厳しいマークを上回るパフォーマンスを発揮できるかどうか、今シーズンの島根に与えられたハードルは高い。最も必要とされるのは、必ずCSに進出するという強い意志を共有し、結束力と自信を高めることだ。

■KEY PLAYER/SG・SF #14 金丸晃輔

[写真]=B.LEAGUE


 カギを握る選手はやはり金丸。3ポイントやフリースローではタイトルの常連であり、そのシュート力がチームオフェンスのベースとなる。ヘナレHCが金丸を中心としたオフェンスシステムを構築し、それを既存の選手がいかに遂行できるかが今シーズンの島根の行方を左右することになる。

 良くも悪くも金丸次第という側面があることは否めないが、それほど金丸はチーム作りに影響力を持つ実力の持ち主ということだ。

文=吉川哲彦

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