2022.02.10
どのクラブもB2から昇格してきた最初のシーズンはB1の厚い壁にはね返されてきたが、破壊力のあるオフェンスでB2を圧倒した広島ドラゴンフライズも例外ではなかった。
課題と見られていたディフェンス面は失点の多さがそれを証明し、自慢であったはずのオフェンス面もB1の強度の高いディフェンスを思うように突破できなかった。11月から1月にかけて17連敗も記録。ヘッドコーチ交代の劇薬をもってしても状況は好転せず、5試合が消滅したとはいえわずか9勝という結果に終わった。
当然のように、このオフは積極的な補強に動いた。川崎ブレイブサンダースのエースシューター辻直人、昨シーズンの得点王ニック・メイヨ、新人賞ベスト5に選ばれた寺嶋良など、他クラブの中軸を担っていた選手を次々に獲得。昨シーズンまでの弱点も踏まえ、船生誠也やチャールズ・ジャクソンといったディフェンス力のある選手もラインアップに加えた。「今シーズンの広島は一味違う」と言わせるには十分なロスターだ。
強力な選手をそろえたとあって、スターターも熾烈な争いとなる。有力視されるのは寺嶋、辻、アイザイア・マーフィー、メイヨ、グレゴリー・エチェニケの5人。そこにジャクソンや帰化選手のトーマス・ケネディも絡んでくるだろう。忘れてはならないのが朝山正悟の存在だ。ついに40代に突入したが、そのシュート力は今なお健在。60試合という長丁場では、さまざまな経験を積んできた朝山の力が必ず必要になってくる。
オフ期間の選手補強でファンを驚かせた広島だが、本当に驚かせるのはシーズンに入ってから。昨シーズン横浜ビー・コルセアーズのディフェンスを立て直したカイル・ミリング新HCが広島のディフェンスも改善することができれば、再びファンを驚かせることになる。
文=吉川哲彦
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