2022.01.05
クラブのみならず男子バスケ界全体のレジェンドである折茂武彦代表兼選手の現役引退や、クラブ初の北海道出身である宮永雄太ヘッドコーチの就任など、重要な転換期を迎えた昨シーズンのレバンガ北海道。しかし成績は思うように伸びず、外国籍選手の故障などもあって最後は13連敗でフィニッシュ。新潟アルビレックスBBにかわされ、東地区最下位でシーズンを終えた。
折茂代表はテコ入れとして、長年の盟友である佐古賢一ヘッドコーチ招へいを決断。現役時代に数々の優勝を経験し、アジアを代表するポイントガードとして名を馳せた佐古HCは、指揮官としてもNBL時代に広島ドラゴンフライズを天皇杯準優勝に導き、その後B2時代もB1・B2入替戦まで進出した経験を持つ。東京五輪直前になって日本代表アシスタントコーチの座を退いたのは、折茂代表との共闘にかける強い決意の表れにほかならない。
チームの顔であった多嶋朝飛と昨シーズン得点王のニック・メイヨが移籍したが、得点力を期待できる寺園脩斗とデモン・ブルックスを獲得。かつて在籍し、昨シーズンはB2でブロック王に輝いたダニエル・ミラーも復帰を果たした。初来日のショーン・ロングがフィットすればインサイドは強力。日本人選手も、昨シーズンデビューして即戦力となった山口颯斗にさらなる成長が期待できる。
予想スターターは橋本竜馬、中野司、山口、ブルックス、ミラー。橋本はコントロール、中野はアウトサイドシュート、山口はアタックと役割が明確で、外国籍選手も含めて攻守のバランスが取れた布陣だ。ベンチには桜井良太らサイズのある選手が控え、対戦相手によってはサイズアップした布陣を敷くことも可能。状況に応じた佐古HCの采配も見どころの1つとなるだろう。
一朝一夕に状況を好転させることは難しく、それは佐古HCも選手も覚悟しているだろう。それでも、今季は低迷からの脱却に向けて大きな転機としなければならない。佐古HCの勝負への執念が選手に波及し、良い兆しとなって表れることを期待したい。
文=吉川哲彦
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