2022.06.03
群馬クレインサンダーズの“前人未到”、第2章が始まる。
昨シーズンはマイケル・パーカー、トレイ・ジョーンズらB1経験者計8名の大型補強に乗り出し、レギュラーシーズンではホームゲーム負けなしの52勝5敗。リーグ新記録となる33連勝と勝率(.912)も達成し、その勢いのままB2優勝を果たした。
茨城ロボッツとともに初のB1に挑む2021-22シーズン。チームは就任5年目で待望のB1昇格を果たした平岡富士貴ヘッドコーチに代わり、トーマス・ウィスマン氏が新指揮官に就任。かつては男子日本代表を指揮し、Bリーグ初年度には栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)を初代王者へ導いた名将の手腕、綿密な策により、さらなるチーム力の向上が見込める。
今シーズンの選手たちの顔ぶれも申し分ない。躍進の原動力となったパーカーとジョーンズを中心に8名が残留し、大ベテランの五十嵐圭、日本代表候補のアキ・チェンバース、走れるビッグマン・野本建吾が加入。現在は一時帰国中だが、インサイドでの活躍が期待されるチェコ代表のオンドレイ・バルヴィンも加わった。
新たな日本人選手に関しては、B1での実績があり優勝に飢えている選手だと言える。各々が国内のトップでキャリアを積みながらも、いまだBリーグ優勝には届いておらず、きっと「このチームで一泡吹かせたい」と意気込んでいることだろう。
また、チェンバースと野本の獲得から、より守備面の改善を求めていることが伺える。昨季B2を席巻した攻撃と守備をブラッシュアップし、いかに多くの時間帯で自分たちの理想を表現できるか。それをB1のチーム相手にできれば、昇格初年度でのチャンピオンシップ出場も見えてくる。
今季のポイントガードは、この2人に笠井康平を加えた3選手で回すことになるが、「五十嵐は41歳のベテランなので、何分プレーできるかも計算しなければいけない。テルは学習能力があるし、若さを生かしてしっかりプレーしてもらいたい」とウィスマンHC。菅原がつなぎ役としてではなく、シーズン中に主役に躍り出るような存在になれれば、よりチームが活性化されるはずだ。
文=小沼克年
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