2019.01.10
「オンザコートワン、ツーのルールに柔軟に対応するため、ガードを日本人選手で固めた。(2人は)まだまだ経験が浅いが、伸びしろがあり、能力、フィジカル、タレント性に優れている」。18チームの頂点に立った2018年5月26日から遡ること約9カ月前、アルバルク東京の指揮官に就任したばかりのルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは、平均18.1得点3.9アシストと申し分ない成績を残したディアンテ・ギャレット(現トファシュSK)に代えてまで安藤誓哉と小島元基を起用すると明かしていた。
移籍組の2人はその期待に応えるようにハードなディフェンス、ピック&ロール主体のオフェンスを表現し続け、シーズン途中に加入した齋藤拓実もわずかな出場時間ながら役割を全うした。チームの中では若手の部類に位置する“ポイントガードトリオ”、26歳の安藤、24歳の小島、23歳の齋藤に、2018-19シーズン開幕を迎えるにあたり様々なことについて語り合ってもらった。
インタビュー=酒井伸
写真=Bリーグ
――最初にそれぞれの他己紹介をお願いします。まず、安藤選手についてどのように思っていますか?
小島 少し破天荒で(笑)、みんなとコミュニケーションが取れる人です。
――何か具体的なエピソードはありますか?
安藤 余計なことを言うなよ(笑)。
小島 エピソードではないんですけど、いろいろな面において外国人っぽいと感じます。
齋藤 元基さんが言っていることもわからなくもなくて。英語を話すことができ、外国籍選手とコミュニケーションを取ることができるので、オフの日に一緒に出かけることもあるみたいです。安藤さんは(明治)大学の先輩なので、僕は一緒に遊んでもらうこともあります。コート内外でチームの中心的存在だと思っています。
――小島選手はムードメーカー的存在ですよね。
安藤 元基は先輩から愛されていると思っていて、いじられながらもチームメートを楽しませてくれます。こういうことを言うの本当に恥ずかしいですけど(笑)、チームに欠かせない一人だと思っています。
――寂しがり屋の一面もあるとうかがいました。
安藤 常に寂しがっているんじゃないですか(笑)。
齋藤 元基さんはムードメーカーな一面もあり、思ったよりガツガツいかなくて欲しがりなんです(笑)。パスしたら笑いに変えてくれるような。
――チーム最年少の齋藤選手はいかがですか?
安藤 拓実は一応、大学の後輩なのでアルバルクで再び一緒になれてうれしいです。本当に素晴らしい後輩だと、僕は自信を持って言えます。
――大学時代は仲が良かったんですか?
安藤 1年生と4年生で、春先の3カ月くらいしか被っていないのでそこまで……。(※安藤は2014年途中に退部、海外リーグに挑戦)
齋藤 一緒に練習していましたが、今ほどの関係ではなかったです。
――小島選手は1歳差です。
小島 大学が違ったのであまり絡みはなく、アルバルクでは1年くらい経ってようやく2人でじゃれ合うような。
安藤 僕には入れないようなじゃれ合いです。
小島 拓実は子どもなんですけど、大人なんです(笑)。この表現が一番適しているかなと。性格が本当にしっかりしていると思います。
齋藤 初めて言われました。
――プレー面についてうかがいます。移籍、加入1年目の昨シーズンはいかがでしたか?
安藤 強豪クラブのアルバルクで優勝しなければいけないというプレッシャーがありながらも、ルカ(パヴィチェヴィッチ)ヘッドコーチにいろいろ教わり、本当に充実したシーズンでした。結果として優勝できて、いい締めくくりができたと思っています。ただ、まだまだやることは多く、今シーズンも優勝するために日々練習しています。
小島 環境が恵まれており、チームメート、スタッフ、コーチ陣のおかげで本当に成長できた1年だったと思います。
齋藤 11月下旬に特別指定選手として加入するまで、大学の試合があってあまりBリーグの試合を見れていませんでした。アルバルクではルカHCの下で学ぶことが多く、“タレント集団”と呼ばれるだけあってとても質が高くて。プレータイムは少なかったですが(62分53秒/8試合出場)、日本代表選手と練習できたり、ポイントガードのお2人ともガツガツやり合えたり、すごくいい経験をさせてもらっています。
――コートに立つ際はどのようなことを心掛けていましたか?
安藤 ディフェンスでもオフェンスでもアグレッシブさを心掛けていて、どのようにゲームを構築していくかを考えながらプレーしています。
小島 自分は“しっかりプレーする”ことを意識していて。ミスしてゲームの流れを壊さないように、いい空気、雰囲気を作っていきました。
齋藤 普段からコーチやチームの考えに沿ったゲームを作っていきたいと考えて、アーリーカップではウィングポジション(シューティングガード)も経験しました。
――ルカHCの指導は今季も厳しいようですね。
安藤 練習はとてもハードです。ルカHCは現役の頃にポイントガードをやっていたので、僕たち3人に求めるレベルがすごく高いと思っています。
小島 ハードの一言に尽きますね。レベルの高いバスケットを常に求めてくるので、それに応えなければという思いで一生懸命取り組んでいます。
齋藤 僕も同じく、めちゃくちゃハードだと思います。
安藤 ただ、2年目なので大まかな部分は理解できていて、昨シーズンの序盤に比べたらあまり怒られなくなりました。あとは質を高めていくだけです。
――英語での指示も慣れましたか?
安藤 バスケット用語なので言いたいことはわかります。怒られたら何が悪かったのか自分でもわかっていて、「あ、このプレーはダメなんだな」と。
齋藤 あまり英語は得意ではありませんが、ルカHCが言っていることは理解できていて。初めて外国人コーチに教わりますが、とても細かく追及する人だと感じています。
――一緒にプレーしていてやりやすい、気が利く選手を教えてください。
安藤 アルバルクはピック&ロールが多いチームなので、アレックス・カークとはすごくやりやすいと感じています。彼は世界の様々なチームで経験を積んでいて、バスケを知っているなと。
小島 ザック(バランスキー)は(東海)大学時代からやっている仲間なので、いてほしいところにいて、決めてほしい時に決めてくれます。
齋藤 あまり意識したことはありませんが、(田中)大貴さんはうまいなと感じます。緩急のつけ方やピック&ロールの使い方、アレックスとのコンビネーションもお手本になります。
――対戦相手で「この選手だけには負けたくない」と思う選手はいますか?
安藤 Bリーグの新記録(3ポイントシュートを11本成功/2017年11月12日)を出された富樫(勇樹/千葉ジェッツ)選手です。ファイナルでは抑えることができたので、今シーズンも負けないようにしっかりディフェンスし続けます。
小島 僕は強いて言うなら、(ベンドラメ)礼生(サンロッカーズ渋谷)です。ただ、ポイントガードではないので”一応”同期の礼生ということで(笑)。
齋藤 いいなー。僕は同期がいないので、ライバル視するような選手はまだいません。これまでマッチアップしたことがない、富樫選手と対戦してみたいです。
――その中で今シーズンの抱負を聞かせてください。
安藤 今はもう一度優勝するために日々がんばっています。個人としてはもっとしっかりゲームを支配できるように、信頼されるポイントガードになりたいです。
小島 今シーズンも優勝を目指すため、日々の練習や試合でベストを尽くしていきたいです。個人としては、しっかりより“ガッチリ”に。
齋藤 2連覇だけを考えず、目の前の試合を戦って最終的に優勝できたらいいなと思っています。今は3番手のポイントガードですが、お2人に割って入っていけるように成長して、「齋藤が出ても大丈夫」と思われるように臨んでいきます。
――個人として具体的に決めている目標はありますか?
安藤 あまり数字は気にしていないのですが、3ポイントを12本くらい決めたいです(笑)。
小島 個人成績を気にしすぎるとチームに迷惑をかけるので、試合でベストを尽くすだけです。
齋藤 僕はまず練習でコーチにアピールしていくことが必要かなと。たとえ試合に出られなかったとしても、ベンチで盛りあげるなどチームに貢献していきます。
――最後に応援してくれているファンの方々にメッセージをお願いします。
安藤 昨シーズンは皆さんの応援のおかげで優勝できたと思います。今季はさらに成長した姿を見せていくので、熱い応援をよろしくお願いします。
小島 シーズンスローガン『AHEAD』にあるように、一緒に先へ、前へ進んでいきましょう。
齋藤 今シーズンは相手チームから警戒される立場にあり、2連覇を成し遂げるのは非常に難しいことです。優勝するためにも皆さんの応援が必要なので、開幕からアリーナ立川立飛に駆けつけて応援していただけたらうれしいです。
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