2018.10.06

アルバルク東京とサンロッカーズ渋谷の一戦は、“元レイカーズコンビ”の出来が勝敗を分ける

東京ダービーを制するのはどちらのクラブか[写真]=山口剛生
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

アルバルク東京vsサンロッカーズ渋谷(@アリーナ立川立飛)
第1戦:10月6日15時5分~、第2戦:10月7日15時5分~

 昨シーズン王者・アルバルク東京が連覇に向けたシーズンをホームで迎える開幕戦、迎え撃つのはBリーグ初年度ぶりにチャンピオンシップ進出を狙うサンロッカーズ渋谷。早くも東京をホームアリーナに持つライバル同士の戦いとなった。

 A東京は今シーズンも死角なしと言っていいだろう。変わったロスターは外国籍選手1名のみ、チームケミストリーを重要視して昨シーズン以上のチームバスケットの進化を持って連覇を狙う。攻守において非常に細かい戦術を用い、誰かが特出して活躍するのではなく、各々の役割を確実に遂行して勝利をつかむスタイルは今シーズンも健在だろう。ポジションごとにいる選手たちのタレント性は抜群であるが、チームでいかに戦うかに重きを置いており、チーム力の優位さはリーグ随一でもある。日本代表にも名を連ねている田中大貴馬場雄大竹内譲次を筆頭に、日に日に成長を遂げているダブル司令塔の安藤誓哉小島元基など、能力の高い選手たちがそろっている。中でも今シーズン注目なのはプレシーズンでも好調をキープしたザック・バランスキーと、器用なプレーで昨シーズン止めることができなかったアレックス・カークの2人。得点力はもちろん、彼らのリバウンド力は、このチームにとっては大きなポイントになっている。昨シーズン以上にオフェンス力が爆発すれば、連覇への道は非常に近いものになるのではないだろうか。

 一方のSR渋谷は今シーズン後半戦に苦しい戦いを強いられ、チャンピオンシップ進出を逃した。その要因はオフェンスの停滞。このテコ入れが今シーズンを占うと言ってもいいであろう。なかなか自分たちのパターンで得点を挙げることができず、それが持ち味の粘り強いディフェンスにも影響してしまった。しかし、今シーズンは様相が違う。昨シーズンにはなかった高さが加わり、より多くのパターンで得点ができるのではと期待される。ロバート・サクレという大黒柱だけだった昨シーズンとは違い、ファイ・サンバとライアン・ケリーの2名が加わり、リーグ屈指のハイタワーが誕生した。特にサクレとケリーはロサンゼルス・レイカーズ時代のチームメートで公私ともに親密である。“レイカーズタワー”が実力をコート上で見せつけたとき、渋谷の逆襲が始まるのではないか。あとはシーズンをとおして全員が大きなケガなく過ごせることも大きな要素になるかもしれない。今シーズンは「高さ」と「健康」という言葉がシーズンを占う要素になるであろう。

 この2チームが激突する開幕戦は、A東京の速さと渋谷の高さの対決になりそうな予感。両チームともに粘り強いディフェンスは健在なだけに、守ってしっかりと自分たちの良さを出せるのかで勝敗が決まるのではないだろうか。その為にはリバウンドをしっかりと奪うことがカギになる。リバウンドをしっかりと確保して速い展開になるのか、それともしっかりとハーフコートで展開して行くのかを注視してゲームを見てもらいたい。

文=鳴神富一

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