2018.11.23

泥臭いプレーが勝利を呼び込む。藤井祐眞、鵤誠司のパフォーマンスに注目

バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

川崎ブレイブサンダースvs栃木ブレックス(@川崎市とどろきアリーナ)
第1戦:11月23日19時5分、第2戦:11月24日16時5分

 11月に入り6勝1敗と勢いに乗る川崎ブレイブサンダースが、東地区の首位を走る栃木ブレックスとホームで激突する。今シーズンから川崎が中地区に移ったことで、Bリーグ初年度のファイナルを戦ったライバル同士の対戦は今回が初。当然優勝争いにも直結してくるだけに、勝敗だけでなくプレーの内容にも注目したいところだ。11月末のFIBAワールドカップ2019 アジア2次予選 Window5のブレイクを前に熱戦が期待される。

 チームリーダーの田臥勇太を欠く栃木だが、それを感じさせない戦いぶりを見せ、11月は3日の滋賀レイクスターズ戦に敗れたのみの6勝1敗だ。ライアン・ロシタージェフ・ギブスの外国籍勢は開幕から好調を維持。加えて、ここに来て先発に起用されている鵤誠司の働きも見逃せない。得点面では数字は上がっていないが、鍛え上げられた体を活かしたハードなディフェンスでマッチアップの相手選手に脅威を与えている。鵤のスティールから速攻というパターンをたびたび見られ、チームに勢いと流れを持ち込む存在となっている。さらに一時戦列を離れていた遠藤祐亮も復帰を果たし、強豪ひしめく東地区で順調に首位を走る。

 その栃木をホームに迎え入れる川崎も調子を上げてきている。11月は11日にアルバルク東京に敗れたのみで、栃木と同じ6勝1敗の成績だ。一時期譲っていた先発ポイントカードの座に日本代表候補の篠山竜青が復帰。ニック・ファジーカスも先発に戻ってきて、安定感の高いゲームマネージメントを見せている。また川崎の強さを支えている藤井祐眞の存在も忘れてはならない。開幕直後、調子の上がらないチームにあって、藤井のパフォーマンスは落ちなかった。6試合の先発出場を含め、1試合平均出場時間は27分21秒と、北卓也ヘッドコーチから高い信頼を勝ち得ていることが見て取れる。さらに平均アシストでは3.6本とチーム1位の数字を残しているが、それらデータよりもルーズボールに頭から飛び込むプレーやタフなショットを決めきる決定力の高さでチームをけん引しているのが目立つ。

 今回の対戦では川崎のファジーカス、栃木のロシターのエース対決に目が行きがちだが、川崎の藤井、栃木の鵤に注目したい。2人の“泥臭いプレー”がチームに勝利を持ち込むのは必至であり、チームには今まで以上に欠かせない存在となっている。試合の流れを決定づけるビッグプレーに期待したい。

文=入江美紀雄

■ロースター
・川崎(ヘッドコーチ:北卓也)
藤井祐眞
林翔太郎
青木保憲
篠山竜青
辻直人
谷口光貴
鎌田裕也
バーノン・マクリン
ニック・ファジーカス
バンバ・ジュフ
シェーン・エドワーズ
長谷川技

・栃木(ヘッドコーチ:安齋竜三)
田臥勇太
ジェフ・ギブス
遠藤祐亮
竹内公輔
田原隆徳
アンドリュー・ネイミック
渡邉裕規
鵤誠司
橋本晃佑
ライアン・ロシター
栗原貴宏
エリック・ロバーツ
山崎稜
喜多川修平

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