17時間前

「祥太のマスクがちらっと見えた」琉球の天皇杯初優勝を手繰り寄せたビッグプレー

天皇杯を手繰り寄せるビッグショットを決めた琉球の小野寺祥太[写真]=古川剛伊
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 3月15日、国立代々木競技場第一体育館で「第100回天皇杯 全日本バスケットボール選手権」決勝が行われ、琉球ゴールデンキングスが60-49でアルバルク東京に勝利。クラブ史上初優勝を飾り、初めて沖縄に天皇杯を持ち帰った。

 終盤までもつれた大激戦のなか、第4クォーターには琉球のキャプテンがビッグショットを決めた。4点リードの残り1分30秒、ヴィック・ローが放ったミドルジャンパーが短く、リング下に弾みコート外へ出るかと思われた瞬間、アレックス・カークがこのルーズボールにダイブし、右手で左コーナー方向へ掻き出すようにタップすると、これをキャッチした小野寺祥太が間髪入れずに3ポイントシュート。懸命につないだオフェンスを締めくくったキャプテンの長距離砲は、勝利を手繰り寄せるクラッチショットとなった。

優勝会見で4Qにダイブした瞬間を振り返ったアレックス・カーク[写真]=古川剛伊


 このシーンについて、カークは「自分はロシターとマッチアップしていて、(ローの)シュートが外れたのを自分の目で捉えることができた。しっかりとボールを追いかけることができて、幸運なことに祥太のマスクがちらっと見えた。小野寺に託す感じでいいパスが出せて、最後は小野寺が決めてくれた」と、振り返った。

 一方、小野寺は「無我夢中だったのかなと思います。でも僕の考えで、バスケットの流れで誰かがハッスルしたときに、それは点数につながると思っていて。アレックス選手がコートに(ボールを)残してくれて、しっかりと思い切って打ったことで良い結果になったと思います」と、懸命につないだ仲間への感謝を滲ませた。

島田慎二JBA副会長からJBA杯を受け取る小野寺祥太[写真]=古川剛伊


 小野寺は直前の12日・島根スサノオマジック戦で相手選手と接触した際に鼻骨を骨折。この日は黒いフェイスガードを装着してコートに立っていた。負傷の影響が心配されていたなか先発出場し、16分36秒のプレータイムで5得点1リバウンド。チーム初得点と最終盤の3ポイントを決め、要所で勝負強さを発揮した。

 今シーズン初タイトルを手にした琉球のキャプテンは、「3年連続で出場させていただいて、今日ようやく勝てたことが本当にうれしい。チームの雰囲気が良くなかったとき、勝てずにいたときにこういうタフなゲームを勝てたことがよかった」と喜びを口にしつつ、「でも、僕らは優勝しましたけど、ここがゴールではないので。またレギュラーシーズン、チーム一丸となって戦っていきたいと思っています」と、Bリーグ終盤戦を見据えるコメントも残した。

 B1西地区首位の琉球は次戦、19日に敵地で京都ハンナリーズと対戦。東アジアスーパーリーグ(EASL)から3連敗と黒星が続いていたなか、2シーズンぶりのBリーグ制覇を目指すチームにとっては、自信を取り戻す大きな勝利となった。

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