
2025.03.15
3月15日、国立代々木競技場第一体育館で「第100回天皇杯 全日本バスケットボール選手権」決勝が行われ、琉球ゴールデンキングスが60-49でアルバルク東京に勝利。3年連続で決勝の舞台に立った沖縄のシンボルが、ついに悲願の初優勝を飾った。
琉球は直近3連敗中で頂上決戦を迎えていたものの、この日はベンチメンバーも含めA東京に圧力をかけ消耗戦へ。最大の武器であるインサイドの攻防で優位に立ち、最後まで愚直に奮闘。千葉ジェッツに49点差をつけられる大敗を喫していた昨年の天皇杯決勝の悪夢を振り払うかのように、泥臭く頂点まで這い上がった。
沖縄県出身で2013年からキングス一筋の岸本隆一は、24分28秒のプレータイムで6得点5リバウンド2アシスト。スコアこそ伸びなかったが、攻守で流れを手繰り寄せるプレーを披露した。
岸本は第2クォーター終了間際にA東京の反撃ムードを断ち切ったディフェンスについて、「基本的にマッチアップする時間帯はテーブス選手が多かったんですけど、相手がタイムアウト明けに何かしらデザインしてくるだろうと踏んでいました。出てきた選手も今日の試合に関しては多く絡んでいない選手。選手心理も考えて、ここでプレッシャーをかければ少しリズムが崩れるかなという意図もあったので、それが結果的にいい方向にいったかなという感覚です」と、値千金のプレーを振り返った。
表彰後の記者会見では沖縄バスケ界の先人たちへの感謝も口にした[写真]=古川剛伊
9年前は“エリート軍団vs雑草軍団”という切り口でBリーグ開幕カードのA東京vs琉球を煽られていたが、2022-23シーズンにBリーグ初優勝を成し遂げ、100回の節目を迎えた天皇杯で頂点に。岸本は「もちろんこの場所でアルバルク東京というのは特別なので、縁を感じている」としつつ、「人が変わっても自分たちの信念、理念を持って前進してきた結果が今日につながったのかなと、僕はそういう認識でいます」と、積み重ねてきた歴史を噛みしめるように言葉を紡いだ。
bjリーグ時代には天皇杯に出られない時代もあった琉球。飛躍的な成長を遂げてきたクラブの成長を歴史に刻む、大きな天皇杯初優勝となった。
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